土台の部材が腐ってしまった足踏み機(2016.2.13.blog参照)をなんだかんだで1週間かかって修理していたが、やっと本日完了となる。本当は去年の秋に注連縄づくりにデビューしたが、運搬途中で土台が崩壊してしまったので活用できなかったのだ。
戦時色が強い昭和17年に購入したらしい本機だが、今でも十分使える性能を有している。細かいところにも技術の粋が蓄積されているのに感銘する。簡単そうに見えた「ほぞ組手」にはずいぶん手こずってしまった。
本当は5㎝角の部材が欲しかったが、1時間以上かけて買いに行ったホームセンターには6cm角しかなかった。するとすべての寸法が違ってくる。部品のビスの長さも変わってくる。想定はしていたもののやはり狂いがどうしても出てきてしまう。部品を再び買いに行く。
寒風と強風が午後の作業を中断させる。したがって、作業は午前中だけに絞ることにする。のんびりやりながらがやったので焦りもなく、流行のコロナウイルスもやってこなかった。本体横の蓋を開けてみると。
心臓部の歯車が大切に保守されていた。こんなところにも技術の誇りがさりげなく用意されていた。足踏み機の製作は地方の小企業が活躍していたが、現代は大手の企業に吸収されてしまって、こういう心のこもった味が喪われてしまった気がする。
こうした機械物の設計と保守の良否は「振動」、「潤滑」、「シール」で決まります。
現在の機械類で手を出せるのは潤滑オイルの交換ぐらいですが廃油を自前で処理するのも面倒ですね。
この機械ではオイルより適切な粘度のグリースと思われます。飛散した油脂がせっかくの籾に付かないようにするのは設計の腕で決まる。
振動については回転部分に欠品があると発生し振動やシールに悪影響が出やすい。
合わせて脱穀爪が飛散しないように十分にお気を付けを!
それから「大手企業に吸収された」というよりも使い手が居なくなったというのが実情ではないでしょうか。
機械にも「旬」があり、あとは博物館かマニアの世界に住むことになります。
でも、マニアが増えるといいですね。