連日のように、わが家の灯火を頼って生き物がやってくる。蜘蛛は無賃の同居人として居座ってしまっている。ときどきゴキブリも出てくるが、汚い民家の割には少ないともいえる。同居人の蜘蛛が家賃代わりに警備を担ってくれているのかもしれない。何と言っても目立つのは大小様々な蛾で、昨日は「シロスジトモエガ」(ヤガ科)が久しぶりにやってきた。
最初は、「アサマイチモンジ」(上の画像)かと思ったが、蝶が灯火に来るはずもない。まずはその蛾を捕捉してその特徴である左右の「巴紋」を確認。また、その触覚を見ると間違いなくメスだった。メスの触覚は真っ直ぐな「鞭状」、オスは羽のような「櫛歯状」。
ちなみに、以前捉えた「シロスジトモエガ」(上の画像)はその触覚からメスだったこともわかった。トモエガの中でも、シロスジトモエガは北海道や北東北にまで分布を広げているなかなかの覇者ということだ。
また、トモエガの模様は現代アートのような気配がある。個体差も多様過ぎるくらいだ。そういう模様の面白さから、外国では蝶より蛾の方が人気があるらしい。さらに、その特徴の渦状の眼状紋は相手に睨みを利かす防禦機能があるようだ。引きこもり状態のオラの狭い「井戸」からでも、広い世界が見えてくるのが愉快至極ではないか。若者よ、闇バイトなんかやっている場合ではない。