大阪市立桜宮高校で、バスケットボール部の主将が自殺し、原因は顧問教諭による体罰が原因だったとされる事件、きょうの朝刊には、バレーボール部でも顧問教諭による同様な体罰があったという記事が掲載されていて、この高校は体質的に“体罰あたり前”の運動部が存在するといってもよいのではないかと疑いを持った。
自身の問題として振り返ると、大正生まれの剣道部出身の親父から体罰を数回受けたことがある。しかし、自分自身が仕方ないと思うようなことで、それも顔や頭などには受けなかった。それに今、考えてみると父親の愛情あふれる躾にも似た“愛のムチ”だったと覚えている。
報道によると、同高校での体罰と称される事件は、体罰どころか暴行、傷害事件だ。ここの学校の顧問教師は生徒に対し加減をしていないように思える。部員に対する愛情など微塵も感じられない。また、体罰は許されると思っているようだ。この世の中にあって、そもそも体罰は、上から目線の暴力だと思っていないのだ。“気合を入れる”、“根性を入れる”などとビンタなどを生徒に行って、その生徒たちが良くなると信じているから、体罰を加えるのが当然になってしまっている。
体罰で有名になったのは、大松監督率いる日本女子バレーだが、その後、根性や気合だけでは試合に勝てなく、現代ではスポーツは科学的に行わないと成長がないとまで言われている。スポーツは食事から始まる基礎的な体力向上・技術向上プログラム、戦術・戦略面での研究などの上、繰り返し反復練習を続け、臨機応変の瞬発力を養うなど大変奥が深い。
体罰を受け悩んだ挙句に母親にも相談し、なんとか自分を改善しようと努めていた17歳の若い命が自らによって絶たれた。人間で一番大切なものが、この教師の大きな錯覚指導によって失われたのだ。
一生懸命部活動に励み人間的にも大きく成長する高校時代に、体罰だけで部員を成長させようと思って指導してきた47歳の顧問教諭は、私にとってはただの“怖い顧問”だけのイメージしかなく、人間的な繋がりを暴力に求めたと言わざるを得ない。教師としては失格の烙印しか押せない人だ。
また、管理する学校長や教育委員会などにも大きな問題があったことも否めない。大阪市教委は体罰回避のため、徹底的に膿を出し、同様事件再発防止に努めていただきたい。