無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

自然稲作・発酵コース(除草の実習、これからの水管理)

2017-07-03 08:56:00 | 自然菜園スクール
本日、のち

梅雨らしい時期に入りました。田んぼに水を入れなくても雨だけで十分なほどです。
今までの空梅雨が嘘のようです。






昨日は、自然菜園スクール「自然稲作・発酵コース」でした。
1週間前に張ったネットに、どのように鯉を放流したのか、再現し、「稲作養鯉」で除草目的に行う方法と、養鯉目的で行う方法をご紹介しました。


長野校のもう一つの大岡の田んぼに移動しました。




現在の田んぼの様子の観察。

無農薬稲作でこの時期、稲よりも草を観ることが多いのですが、実際稲の状態と草のバランス次第で、いつまで除草に入り、浅水か深水か軽い中干しをするのか決めるのが根本です。

今回、これなかった方が多く化学肥料での「キツイ中干し」と無農薬栽培での「軽い中干し」の違いと、その後の水管理について解説しました。

化学肥料栽培で稲を育ててきた方は、驚きの内容ですし、稲作初心者では、ちょっと難しかったですが、知っておくと今年は悩みますが、来年は楽できる内容でした。




この田んぼは標高850mで年中湧き水(雪解け水)で8℃前後とかなり冷たい水なので、水口で水を迂回させて温めてあげると効果的です。




しかも最近の研究結果から、この水口で、畦草を発酵させると、草が田んぼのいい土になってくれる、発酵液が田んぼに流れ、抑草、稲の生育促進になることもわかってきました。

畦草はついつい敵にしがちですが、活用すると田んぼを潤します。



紙マルチの田んぼを観察し、その後の経過を解説しました。


田植えして1カ月経ちました。


田車除草機の動かし方を復習し、


実際に、みんなで植えた「亀の尾」の田んぼで除草して、一人一人の癖を見極めながら、より効率的に身体が楽で、除草・抑草効果が高くなるようなやり方を指導させていただきました。




田植えがいまいちで、欠株が多い年でした。

そこで、水口に置いたあった余り苗を補植しました。
こんな時期ですが、株間が空きすぎていると、そこから草が生えてしまうので、抑草効果を狙った最終補植です。

水口での左は、発酵液がかかっている場所、右は、畦シートによって発酵液がかかっていない場所、その差は歴然でした。




最後に、切りワラ散布(マルチ)を行いました。

最近の研究の最終試験です。

いかに自然にワラを田んぼに還す(戻す)かが、最大の課題です。
ワラを不自然に戻すと、田の草のコナギが増えることが分かっているからです。


そこで、今回は、去年のワラを切ってから取っておき、それを最終除草直後に、切ったワラを稲株に沈むように撒いていきます。

今までの方法は、切らずにワラを株元に敷いていく方法でしたが、これは草を抑えたりワラの分解によかったのですが、敷くのが大変な手間でした。

まだ結果はこれからですが、もしかするとこの方法が、もっとも簡単に自然にワラを戻す方法かもしれません。
草も抑え、ワラも分解されやすく、しかも強制的に中干しさせられる地域の方には、ワラマルチになるので、ヒビガ割れるほど(=根が切れる)の乾燥からも根を守ってくれます。

強制的に中干しさせられる地域の方は、さらにワラと一緒にモミガラを使うといいでしょう。

これがうまくいくと、また一つ無農薬自給稲作の課題がクリア―になります。

上手くいかない場合は、その原因を追究し、改善し、改良していくことにします。





今が旬のラズベリーのフレッシュジャムを挟んだ裕子さんマフィンが今回の田んぼのおやつでした。

この講座、裏では、長野校のおやつが楽しみで来る方も少なくないのが嬉しいです。




今回は、実習で、地主さんの田んぼの除草もみんなで行いました。


デッキブラシ

株元除草機

竹ぼうき

ニ連除草機の大面積ライトバージョン

とタイミングによって最適な道具を選べば、株間、条間をより効率的に除草することができます。


それでも基本は、株間の手取り除草です。

手取り除草ができる人は、道具を上手に使うことができます。
それは、稲の根っこと草たちがどのように根を張っているのかが、手ではよくわかるからです。


除草が目的でも、稲の根っこを損ねたら本も子もありませんし、
除草したつもりが草の根を残したら、効果は半減します。

なによりも、無農薬の生徒さんの多くの田んぼなどでは、田車でしか除草しない方が多く、その結果、稲の株間は草だらけで四面楚歌になりがちです。

まずは、全面除草→株間除草→条間除草が基本で、2条の田車と1条の田車を使いこなすことで、さらに効率が上がります。



みんなで除草した上の田んぼは除草が一足早く終わっており、






コナギやオモダカはほぼなく、変わった藻が生えていました。

帰ってきて調べると、シャジクモ(車軸藻)。車軸藻綱に分類される藻類。湖やため池などに生育する。

環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類に指定されている。レアな藻でした。

まだまだ未知数藻もですが、付き合い方によっては、稲の株元に田の草を生えるのを抑えてくそうなので、工夫してみようと思っております。

すべての草が悪いわけでなく、稲さえ育っていれば、生えていた方が田の草を抑えてくれたり、酸素を出し、水質浄化しれくれたり、役立てることもできます。

田んぼの草も畑の草同様に、必要必然で生えてきます。

それらの草を適度に手入れして、作物を育てるのが、自然農法の技術だと思っております。

自然稲作では、自然を味方につけ、稲が育つ基本と環境変化に強い様々な技術の両輪で、タイミングよく楽で楽しく、お米が美味しくなる稲作を目指し実践します。


次回は、7月22日(土)
自然稲作講座⑦(水管理)
田んぼの見学会(信更・大岡)


もし単発参加の場合は、ホームページよりお申し込みください。、場所と車の関係で、先着15名限定でお受けします。



2017年土内容充実で、
『無農薬・自然菜園入門講座』が第一水曜日長野市城山公民館で18:30~21:30までスタートしています。
城山公民館での「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

今年度は、いつもの第1水曜日に
城山公民館 18:30~21:25

18:30~19:45座学
19:50~21:25質疑応答


新年度も第一水曜日で、「無農薬・自然菜園入門講座」を行います。お楽しみに~
新年度スタート「これならできる!自然菜園入門講座~春編~」

いよいよ明後日
7/5(水)― 梅雨の草対策、夏野菜の種まき、ニンジンの種まき

8/2(水)夏野菜の延命法、秋野菜の真夏の種まき、定植のコツ
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