★時代に対するコラムです
★お料理の話ではありません
★答のない課題に触れています
数日前、無念な電話を受けとりました。長くお付き合いのある、合羽橋の器屋さんから、閉店が決まった、知らせでした。
職業的自制心がある私ですら、思わず悲鳴をあげました……。
この感染症の毎日で、夜討ち朝駆けに拍車がかかる毎日でも、食卓にだす度に、自分の生活を励ましてくれる、想いのある、私の器達。
合羽橋商店街を歩き、器の話、飲食店の流行りの動向、人の好みの変化を、リアル店舗で聴かせてもらうのは、学びの時でした。
ああ、そうか!気づかなかった!
飲食店の営業中止が続いたら、季節の器は、動かない!
合羽橋のお得意さんは、いま、生き残りに必死で、ここには助けがない……。
台所廻りに特化している街。世界中の料理好きに知られている合羽橋は、観光客の溢れている商店街だから…… 自粛を強要されるターゲットになってしまう!
昔ながらの小さな店構え、古くからの店は、通路が狭く、お客様の安全を守るために、商店街を閉じてって、自粛も働いているでしょう。
もう、シャッター街となっていると、電話の声は、諦めと暗さに霞んでいました。
ああ、どうやって、応援できるだろうか?
オンライン・ショップで買い物しろと、政府が推奨したから、リアル店舗は、さらに、立つ瀬が無くなった。
言葉に配慮がない、政治に呆れた日があったけれど。
あの日から、恐れていた、リアル店舗が潰れる現象が、よりによって、私の大好きな街で、始まっていたなんて……。
リアル店舗だから!
掌に載せた器の重さを計って、食卓におく彩りを、光の加減を楽しむことができるのです。
合羽橋だから!たくさんの種類を見比べて、高価な二枚を、激戦して選ぶことができた!
合羽橋だから。お試しが家に合うと分かって、買い足すこともできた!
豊富な知識をもつ、専門家が、どのお店にも居て。器の扱いも、取り寄せにも応じてくれたし、器の修理にも連絡をつけてくださった。
リアル店舗だから! 人の温かさ、顔の見える、だけど、距離の取れたプロの仕事に出会えて。長いお付き合いが出来たのに。
どうやったら、リアル店舗を応援できるのでしょう?
個人専門店の多い街に、クラウド・ファンディングは見当たらない……。
合羽橋商店街をはじめ、リアル店舗を守るには、何をしたら良いのだろう?
無くなってしまったら、還らない文化を守るには、いま、何ができるのだろう?
皆さん、外出自粛の続く今、リアル店舗を守るために、消費者が出来ることは、何か? 一緒に考えてください。
お願いいたします。
過労死予備群、答を即答できない悩みの中で書く、2020/05/14
