トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

二点位置流・昆虫すこいぜ「タケトラカミキリ」人生初見!…間違えました

2023-03-01 | 小父のお隣さん
 マテバシイを植栽するのに支柱として使いたい真竹の杭を作っていた時の事、稈を切断したらごっそりと黒い昆虫が出てきたのだ。「翅蟻にしては大きいな」と感じたのだが翅の色と頭部で蟻ではないのは理解できた。この時は「米つきバッタの仲間⁉」程度の認識だったのだし自宅の図鑑になど載っていないかもとも思いS先生に写真確認してもらうつもりでプリント中、手慰みに図鑑を開いたら載っていたのだ。間違いなく「タケトラカミキリ」と言って良いだろう。
 しかし素人なりの疑問があった。外観からはどうこうしても「カミキリムシ類」には思えない。胸部・頭部も通常見慣れているカミキリムシとも異なるし、何より触角が長くない。まあ、目の付け所、判定のしどころが誤っているのは素人なりに理解はしているけれど腑に落ちないのだ。こういう点はやはりS先生に質問するしかないなあ。

 稈からドサッと出て来たこれ! 

 図鑑の画像を比較対象するために用意したのだが「無断複製複写を禁ず」とあるから(まあ通常はそうなのだけれど)並べて載せられない。改めて双方の写真を比較すれば違いは明瞭だった。どうしてタケトラカミキリと思ったのかよくわからない。S先生に判定してもらう心算が写真を忘れてしまい口頭説明で「サシガメの仲間だろうか…」とも言われSさんがスマホでサシガメの一覧を出したけれど相当するものが無い。
 サシガメの触角はどれもスーッと細く伸びているのに対して小生の見た昆虫のそれは先端が紡錘形に膨らみがあるから種は異なるようで、ともかく写真を忘れてしまったので仕切り直し。タケトラカミキリでは絶対ありえないことは断言しましょう。     

枯れさせられる前に移植

2023-03-01 | 小人閑居して憮然
 フイールドを包括的に眺めつつ実生樹で樹種の少ないものや増やしたい樹種については竹の支柱を立てたりして留意されるようにしてきたのだが頓着なければ刈り払われて再萌芽すれば最初から、再萌芽しなければそこで消えてしまう事の繰り返しも多い。
 イボタノキを採った周囲の草地は少なくなったハルゼミの拠り所「テーダ松」の実生樹を育てようとしているのだが選択的刈り払いなど無い坊主刈りされるから裸のままである。

 この日、やむを得ず場所を移動する事にしたエボタノキも幹径が3cmほどになったところで地際から刈り払われて、再萌芽した幹径は5cmほどまで育ち昨秋は多くの実をつけてくれたのだが気が付いてみると枝が切り落とされて姿かたちも無残になっている。
 枝の切り方も選定の基本とは無縁の「邪魔だから切った」という所業なので姿かたちもよろしくない。このままここに置いていてもおっつけ除伐されてしまうのは目に見えているから思い切って食草園脇のトンボ池堤に移植した。

 エボタノキなどは注目に値しないとも思われない雑木扱いなのだが、エボタを食樹とするエボタガの幼虫は必見に値する芸術的というべきかアバンギャルドとも言うべきか驚嘆すべきデザインなのだ。こう言う幼虫を見る事で生物多様性の大事さに気付いてもらいたくて育成するのだが「坊主刈り払いは命」の前には植生など風前の灯火である。植生を育てる意識など無いと断言しても間違ってはいない。
 「無知」であると言う事はもとより活動する事が環境破壊をもたらしている事さえ気付かない。まあ、現実的にも体験的にも個人や団体に限らず「言っても無駄」なのは十二分に浸みている。粛々と手当てを続けるしかないのだ。

 表土が浅いので掘り取りは楽 ➡  半分に切り詰め定植したので枝ぶりが完成し葉が茂るのは数年後だ

 で、今回は除去や枯れ死させられない前に移植したのだが半分ほどは切り詰めないと移植で枯れ死しかねない。改めて姿かたちを作り直すしかないのである。周辺のエボタノキの中では健康に大きく育った1本だったのだが今回の移植でエボタガの幼虫を観察できる機会はまた遠のいてしまった。

 近くに実生で繁殖しているヤマハギもついでに3本掘り取って突端台地に移植した。養蜂箱が設置されたしマメ科の植物を食料にする昆虫は結構多いのだ。ヤマハギも種子を落してくれれば周囲に株が増えていくはずである。
 はた楽土はた楽土 お山は豊かにならず 爺徒さきを見る・・・。