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それではと安いチョコレートを購入し溶解、コーティングしてみたが甘過ぎるようになり美味しくない。実はチョコレートのコーティングを行う前に溶けて脱落したグラニュー糖もろ共、シナモンを加え再加熱し煮詰め、皮の軟化と糖分を高めておいたのである。これが「甘すぎる!」に繋がってしまった。急遽、チョコレートは撤回しカカオ紛をまぶしてみた。
これがうまくいって、コーティングしたカカオ粉の苦みと皮を破った時から感じるハナマメの甘味と触感は「スイーツ」の名に恥じない一品となったのである。
これに気を良くして残りの甘納豆は板チョコのブラックチョコでコーティングしてみる事にした。糖分のないアーモンド紛と同様の苦みがあるだろうから予想は「美味しいはず」なのである。
そこで久しぶりにブラック板チョコを購入したのだが、その薄さにびっくりした。小生の記憶ではもっとチョコレート魂に溢れたジョンウイーンばりの一品とばかり思っていたのだが、ここにも軽薄短小の波がある。それはともかく試作品をくだんの栄養士に批評してもらったら「お爺が作ったにしては美味しい、合格!」だったのだが、そんなことは当たり前田のクラッカーであって、どれだけ労力と時間を全集中させたのか想像も出来ない事態だったのだ。
然るに然るにである。この「ホワイトデーバージョンのハナマメ甘納豆シナモン風味」はかくして、かくのごとく渡す相手も無く御爺の胃袋に収まったのだった。この哀しい事態を慰撫し苦労を誉めてくれるマドンナはおらんかった・・・。
青春のみぎり、銀幕で輝いていた我がマドンナはすでに鬼籍なのである。今の銀幕や電気箱に映る誰彼といえど往時のスターの印象は無く軽薄短小、粗製乱造でしかなく見る気もしない。
こういう言動が「頑固、一刻、へそ曲がり」と言われる所以なのだろうが、あの物議を醸した「老害」と同様に老若男女問わずある性向であって、すべてを歳のせいにするのは全く遺憾である。とは言え多少は認めなければいかん面もあるわい。