トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

期待外れの最強寒波

2017-01-16 | 感じるままの回り道
 最強寒波の主力が到来すると予報された15日、最低気温はマイナス2℃弱を記録したけれど水辺の凍結は期待外れだった。今まで暖かい傾向が続いていたから地温も下がっておらず、それが影響したのかと思って眺めた。
 氷盤の厚さは8mmほどで幼児が乗るのも出来ぬ強度である。氷盤の表面を見ていたら沈泥池と泥水池の模様が異なる。沈泥池は異様に表面が荒れている。まるで鳥の三本指跡を無数に押し付けた様な模様なのである。理由は分かるはずもなし。上の池も凍結していたが水は濁っている。コガモが夜を過ごしたのちに凍結したのかもしれない。

 文章を打っていて気が付いたのが「凍結」と「氷結」の使い方だった。辞書を紐解くと前者は「凍り付く事」と有り資産などにも使われる。後者は「氷が張り詰める事」とあり、こちらの方が表記としては正しいのだろう。
 さて、この事を山下清画伯風に言えば「凍結はタイキックだな…、氷結は五郎丸の指カンチョウだな…」となるのだろう。その心は「タイキックはトゥーッ、指カンチョウはヒョーッ」にある。まあ天才の発想は理解できない誤用丸・・・。

      沈泥池    泥水池    上の池   

寒波来たれど春遠からじ

2017-01-15 | 小父のお隣さん
 フイールドのタンポポ原っぱが出現する一角にタンポポが開花していた。一株だけでなく二株あったが最盛期の頃の様に大きくはならず、遠慮がちな花姿である。
 最強寒波のピークが襲う前の開花だから、開花株も「失敗、失敗」と、さぞ気落ちしているかもしれない。しかしながら観察できた小生としては「冬来たりなば春遠からじ」の感がひとしおである。

 もうすぐ大寒、半月もすれば立春を迎える。寒さはより厳しくなるだろうが春の息吹は既に見えてきた。「冬至からは米1粒分だけ日脚が伸びる」と婆様が教えてくれた通り、日没が遅くなったのも実感できる最強寒波の真っ只中である。
 14日、今季初めて風花の洗礼を受けた。さすがに風は冷たいが、薄地のウインドブレーカーでも効果絶大を実感した。

サン・ゴリラ、名前はもうある…。

2017-01-14 | 何よりの楽しみ
 夜討ち朝駆け、昼食もそこそこにお正月以降奮戦して、ようやくプルトイ「ゴリラ」の試作品3態が塗装前までこぎつけた。いつも通りの成り行き次第の作業で図面はないから、全て深夜帯の瞑想、いや迷想と盲想の結果なのである。妄想のごとく湧きあがり眠気もなくなってしまう脳細胞の暴想には打つ手がなく、具現化することが唯一の鎮静剤なのだ。

 とりあえず3態を形にしてみたが、アクションがみられるから幼児心にも興味関心は生じてもらえるだろう。上下動を生じさせる偏芯車輪はフロアーやデコラの上ではスリップしやすく、その対策として平ゴムを装着して解決。
 とは言え、物事には二面性がつきもので「ゴムが切れたら交換はどうする?」との課題が生じた。結論としては車軸を通しボルトにし、両端を袋ナットでカバー、これで木製の軸材のように接着せずに済む。

 今回の塗装は食器や文化財の修復にも使用されている「木固め剤」を塗布してみた。幼児用の玩具には最適だとの判断なのだが、塗布して数分後にシンナーで拭き取らねばならず、一両日程度は乾燥固化反応で不快なガスも出る。住宅の中では使用しにくく、寒風吹きすさぶ庭での作業になった。
 試作とは思索の果てにしか結果が出ないが、私は何故、最強寒波・寒風の庭に居るのか…、人生の謎は尽きず、曰く不可解。

 第一号、アクションローラーを大きくしている。上体は上下動、腕は前後動でリアル感満載。名前は「ホイホイ」型

 簡易型二号、上体の上下動のみ、腕のアクションなし。名前は「ノビ太」型

 第三号、上体を左右に揺するタイプ。名前は「ユラリ」型

*立冬の頃

2017-01-13 | 感じるままの回り道
          翅千切れなお立冬の泥に産む

          日向ぼこアカネも膝で日向ぼこ

          立冬に謳うカエルは森の中

          日向ぼこ耳で飛行機追う眠気

          翅傷み打泥もトリか消ゆアカネ

てんやわんやのダクト交換

2017-01-12 | 今日は真面目に
 浮き世の義理で少しだけの心算がえらいこっちゃ…になってしまった。有機溶剤の塗料を少しだけスプレーしなければならない工程なのだが、ダクトがあまりにもお粗末で噴射ガスをカバーしきれていない。なんたって段ボールのダクトに衣装ケースを取り付けた代物なのだ。

 例によって、ついつい余計なお節介となった訳であるけれど、通常の作業日では交換できない。そこで仕事納め当日、大掃除との事なので一気に片づける事にした。工場に出向かない日はほとんどダクトの制作に費やし、結局十二月はこれで終わったようなものになった。「私はこれで年が終わりました」と指を立てたコマーシャル風になったのである。

 制作にあたって懸念事項はダクト取り付け部の実際を確認できなかった事で、常識的推定で接合部を用意したのだけれど、一抹の不安が的中してしまった。段ボールダクトの中に換気扇があったのである。
 大掃除の前日、スプレー作業が無くなった午後に段ボールダクトを撤去して顕わになったのが中間取り付けの換気扇だった。想定では「壁面にある」としていたのだが確認しなかったのがミスの第一歩で、新たな接続部を工作せねばならず、やむなく早退しフィールドの拠点で急遽作る羽目になった。

 馬鹿は続くもので接続部に換気扇が収まる寸法だったにもかかわらず、「補強せねば」の邪心が四隅に断面三角形の材を張り付けた。結果として現場で換気扇の枠が入らず削り取る羽目になったのだ。
 作業時間は昼までと期限付きだったから、十時にお茶でもと思いお茶菓子を用意したのに暇はなし。まあ、出来上がってみれば段ボールダクトよりましだったのがせめてもの慰めだ…。

  ダクト撤去 ➡ 苦労の心臓部 ➡  高級品!

育苗でなく直播せざるを得ない

2017-01-11 | 蝶の食草園
 自生種でも観察適地にある訳でもないから、草本や木本の一部は養成し定植したりもするが、これが猪の恰好の標的になってしまう。林道沿えに多く生育しているホトトギスも育成し食草園に定植してきたものの、一株も育っていない。全てが猪の掘り返しで全滅してしまった。
 もう宗旨替えをし直播で育成してみる事にして、採種乾燥させ鞘から外した種子を食草園周辺に播種した。ついでに泥水地に突然生育してきたフジバカマの種子も採取し綿毛を外し播種しようとしたが、これは綿毛が外れ難くて、結局は採種時のまま播種した。

 結果は春以降に萌芽確認が出来るかどうかだけれど、数株でも育ち繁殖株になってくれれば万々歳である。林道沿えに株数のあるホトトギスと言えど小形のままなので産卵株となり幼虫を見出す事は稀なのだ。日蔭や藪の中にあるサルトリイバラでは幼虫を視認したけれど、フイールドでのホトトギスでは見た事が無い。
 庭に移植した株は毎年多くの幼虫を育てているが、蛹となると何処へ行ったやら…だ。隣のムラサキシキブに越冬蛹を見た頃もあったものの今冬は行方不明である。

     越し蛹今季はどこへ行ったやら  元句盗作

シン・ゴリラを試作してみる

2017-01-10 | 今日は真面目に
 月末に開催される林業・木工関係のイベントへ昨年に引き続き居候を考えているが、思いがけない助っ人事態で時間が更に窮屈になった。もう、こうなると盆暮れ正月もへったくれも無く大掃除した室内や濡れ縁周りは木屑や埃だらけになった正月である。

 フイールドの秋祭りや前回のイベントに出していた木っ端細工は、それなりに面白がられたものの小物が多く数を作らないと充足感が湧いてこない。今回は時間も無い事から単品でも存在感のある玩具と考え、ゴリラのプルトイを構想した。図面に起こせば正確にアクション解析も出来て寸法も明らかになるのだけれど、それを面倒だと思うのが小生の至らなさである。
 けっかとして「ああでもない、こうでもない」と深夜目覚めてド壺にはまる。現役世代でもないから寝不足など気にしないものの、覚醒すると1~2時間は直ぐに経つ。深夜、目を瞑っていても頭の中はモンモンと妄想が一杯の図は出歯亀に等しくなった。

 それでも道を外さず具現化出来たのは、神仏やご先祖様の賜物と言って良いだろう。試案は「三猿」にちなみ3態を思案している。調整が難しいのが写真の「ホイホイ型」と名付けたタイプで、動作テストの結果は思わしくない。車輪の摩擦係数が少なく上体を押し上げるトルクが生じないのだ。

 対策として車輪の外周に平輪ゴムを装着すればスリップは防げるが、それでもトルクが出そうもない。車輪径を大きくしトルクを上げる策も取って見て、後は成り行きだ。
 動きは結構リアル感満載だったから完成させたいのであって、こういう事態には、結構萌える、いいえ燃える小生であるけれど、よーく考えてみれば猿に等しい単細胞…か。

         部材を切りだす   ➡   動作確認

漏水個所を潰す…

2017-01-09 | 水辺環境の保全
 大晦日に水見回りした折り、泥水池3の底が露わだった。この時は送水トラブルがあったから漏水とは露ほども思わなかったのだが、開けて2日に吐水口へ通水確認に行き吐水しているのに水が溜まってないから「漏水!」と判断して泥水池2,3を仔細に見て回ったが見いだせなかった。

 駅伝のゴールを見届け再度確認に出むき、ようやく判明したのは泥水池2と3をつなぐ水路の途中から漏水していた。この部分は当初より漏水に悩まされていた部分で、漏水トンネルを掘りだし潰した部分である。それが再度の漏水になったのは鎮圧不足だけでなく、潰しきれない漏水孔に生息したり侵入したりするサワガニ、ズガニ、イモリなどの生物による事も多いのだ。

 どちらしろ、ある程度掘り進め再度土を踏み固め潰すしかない。今回もかようにして一件落着した。翌日に湛水確認に行き、沈泥池3の湛水を確認する。何はともあれ松の内から泥まみれで素敵な泥顔になった。
 きっと潰した直後は充足感一杯のドヤ顔だっただろうが、今年も水まみれ・泥まみれから始まったのである。もう「事、結構!」だが、私、水辺で失敗しませんからぁー!。ところで、このセリフ、ギター侍が言ってたような…。

  漏水個所 ➡  掘り下げ鎮圧 ➡  湛水

蕾は輝く

2017-01-08 | 感じるままの回り道
 近辺では気の早い「梅便り」も報じられるようになったがフイールドの梅の開花はまだ先である。行き帰りの道筋に梅の古木もあるけれど花が咲けば気が付く程度の関心事で、ましてや梅園等の様に多種多様な花園などは行く気にもならない。
 それはさておき、この時期、注目せずとも引きつけられるのはミツマタの蕾である。裸木の中でひときわ目立つようになった。直射光下ではいぶし銀の様に見えるものの実際は全てでは無い。開花は気を持たせ続け、まだ先だけれど雪国育ちの小生としては園芸種より野生種の方に季節感がある。

 以前、金木犀の香りでトイレの芳香剤が発売された事があったが、実物の香りでトイレを連想するようになり、これには大迷惑だった。このミツマタも節目節目の花と思いつつも、二股から三股五股等々マスコミを賑わす事が続くと「ミツマタ」もイメージや連想に影響があって、隠微な植物リストに入れざるを得なくなった。
 世間的にはコウゾ、ミツマタ、ガンピと並べても?となってしまう絶滅危惧種に近いけれど、和紙が世界的に見直されている現在、もう少し「有用性」を活かせるのではと蕾や開花を見るたびに思う。

           良く目立つ         蕾は硬い

吐水量の測定

2017-01-07 | 感じるままの回り道
  大晦日に急遽行った取水地の復旧作業。明けて元旦に結果を確認に出かける気分も無く三日に通水確認に行った。送水管のトラブルでは無かったからゆっくりと吐水量は回復すると見込んでいた通り、十分な吐水量があった。

 ここで吐水量を実測するはずだったのが計量カップを載せてなく断念、結局五日に確認出来た。過去の実績で最大吐水量は毎分24ℓで、6割程度に吐水量が減ればエンジンポンプでの強制送水、管内排砂作業をするのが目安である。

 今回の吐水量は見た目でも「少ない」と感じたものの毎分20ℓあり、エンジンポンプでの管内清掃は急ぐ必要が無くなった。とは言え春までには作業を行っておかないとリスクが高まるから二月か三月に予定しておく。表現対称では無いものの「水物・水商売」とはよく言ったもので、小生は通年渦中の気分で尻には火が付きっ放し、水辺の保全になど手を出すものではないなぁが実感…。

 「いきものかかり」は放牧されてしまえば晴れて自由の身でも「みずものがかり」は足を泥地に捕られ抜け出せない。もうホンマに「水物掛かり」か「憑き物」に近く、水辺は「魔物」や「魔性」が棲むと訴えたいけれど「お前がそうじゃん!」と言われかねず沈黙有るのみ。
 唯一、相手してくれるのがカエルやイモリでも魔女にもなれぬ空しい人生になった…。

少しは手入れをする…

2017-01-06 | 今日は真面目に
 若い頃、地植えで育てていたエビネ、放任して久しいが消えずに残っている。一昨年に木陰を提供していた柿の木を抜き取ったため、昨年の夏は直射光で葉焼けを起こし始めたから、慌てて遮光した。その結果、色褪せ始めた葉の色も回復したのだが、冬至を期に遮光を外す。

 細々ながら続いている数株なのだが、ハナニラやホタルブクロが繁茂し存在すら分からなくなる程埋もれていた。さすがに見て見ぬ振りも出来ず除草し、新たに一昨年の落ち葉で作った腐葉土を敷く。腐葉土と言っても殆ど土状態で、落葉風の状態の物が情感があるかと思いつつも、ここは情感より生育環境を優先させる。

 除草しながら株を確認すると小さい株も育っている。木陰が出来ないのが可愛そうであるけれど、柿の木の代わりに伊予柑を植えたから数年で日蔭が戻ってくるだろう。
 ただ、伊予柑は常緑だから落葉しない。これはエビネの周年生理には適するとは言えず、まあ小生、目先の事だけで対処判断する鶏頭の脳味噌みたいである事を暴露してしまった。
 あれもこれもとむさぼっていると全体調和や全体最適化がお留守になる見本…。

       周囲を除草  ➡   腐葉土でマルチング
    

今年は酉年

2017-01-05 | 感じるままの回り道
 今年は全国的に酉年だからと言って渦中で揉まれる訳でもないが、腰や肩は揉まれたい今日この頃なのだ。やはり歳である。
 郷里を出てから鶏とは縁が切れ、鶏肉を食べる時ぐらいしか出会いが無い。とは言え鶏に固執する理由もないから身近な鳥で気分直しをするけれど腰痛までは治らない。それはともかく少年時代、婆様が達者だった頃は二階で鶏を数十羽飼育していた。農家の家屋だから大きい事は大きいのであるけれど一階の一角で牛馬を飼うのとは全く異なる二階の床で放し飼いだったのだ。

 まだ目がさめやらぬ早朝に婆様が用無しの菜切り包丁でゴリゴリと床の糞を削り取る音を聞いていたのを思い出す。閉口したのは鶏に寄生していたダニが人間様にも取り付いてきた事で、この痒みには悩まされたものの対策などは無し、村の環境衛生活動の一環でハエ・蚤駆除のために一軒一軒リヤカーに乗せた燻蒸機で家ごと燻蒸される時を待つだけだったように記憶している。

 恥ずかしい話は横に置いといて、現在の自宅周りの鳥と言えばツグミ、ジョウビタキ、メジロ、ヒヨドリ、シジュウカラなどを目にするが、今冬、賑やかなのがスズメである。冬季だけ餌を置く餌台に集まって来るようになった。大勢で来る時は早朝が主で近所のスズメたち総鳥が来たと思えるほど賑やかしい。ガラス越しに眺めて楽しむものの「鳥インフルエンザ」の流行期では親しく合コンと言う訳にもいかない。残していった糞には気を使う。

 それはともかく、キビキビした動きは見ていて楽しい。まあ、餌はキビではないのだが厳しい生存競争下、スズメの巣作りする場所が減ってきたので、軒下に雀専用の巣箱ならぬ隙間を作ってやろうと思いつつ、高い場所は苦手なので躊躇しつつ何年も経ってしまった。今年は酉年だから取り掛かろうか…。

防毒マスクの効果実感

2017-01-04 | 感じるままの回り道
 浮き世の義理は如何ともしがたく12月から関わっているが、工芸品の補修で有機溶剤が使用される環境である。不十分とはいえ換気ダクトもあるしスプレー量も一瞬だからマスクをしなかったのだが、数日も経たぬうちに帰宅時には頭痛、終日鼻粘膜のひりつき感が続くようになり、夜間目覚めた時には排痰もするようになった。鼻腔から前頭部全体の慢性的不快感は許容しがたく自前で防毒マスクを購入した。
 
 現場環境は有毒ガスだけでなく塗装にサンドペーパーをもかけるから粉塵も出る。そこで「防毒」だけでない「粉塵」にも対応できる小型のマスクが無いか探したら手ごろの大きさの商品があった。メーカーは老舗だし認証品なので効果はあるだろうと思っていたのだが、これが予想以上だった。

 装着1日目にして帰宅時の頭痛は無く、鼻腔の不快感は続いていたものの緩和傾向になって一週間ほどで気にならぬレベルまでに回復したのだ。恐るべし防毒マスクの効果であるが、会友の塗装自営業だったY氏の経験を引用すれば、多くの現場で防毒マスクは装着していなかったのだと言う。自営業と言う条件もあるにせよ組織の中でも安全衛生を損なう様な環境は多いはずだと実感した。

 何とかと言う大手事業体の若者を自殺に追いやる労働環境も信じられぬが、労働基準法など規制緩和の大号令のもと、絵に描いた紙魚の喰い痕みたいになってしまったこの国の現実も情けない。

咲かせば盗られる、咲かせねば増えない

2017-01-03 | 小人閑居して憮然
 周期的のように行きつ戻りつ腰が定まらないのがヤマユリやササユリの扱いである。当初、ようやく発見したヤマユリとササユリから採種し取り播きしていたのが功を奏し、花が見られるようになるとほとんど消えていくと言う現実が背景にある。
 また数種の蘭科、キンランなどは人目に止まりやすく、また竹林周辺に多かった事もあり、タケノコ掘りの時期と開花時期が重なるため被害甚大で、これも消失の危機にある。盗掘を受けないコクランなどはタケノコ探りの鍬で削られ続きで、竹林内で見ることは出来なくなった。

 平成28年は例年になく駐車場周辺のフイールドに開花株が出そろったのだが、一週間もせず全て掘り盗られてしまった。駐車場付近の切通し斜面に生育していたササユリとヤマユリは、蕾を付ければ気付かれ盗られるのは間違いないから摘蕾してきたのだが、開花させねば種子も出来ない。このまま維持しても人目について掘り盗られれば「万事休す」なので、フイールドで開花結実採種を断念し自宅で採種母株として育成する事にし掘り上げた。
 
 ササユリはゴルフボール大、ヤマユリはテニスボール大の球根で、花後、葉姿を確認していた他の場所の球根をも回収しようと回ったのだが、全て窪みを残し消えていた。帰宅後、直ちに植えつけたから来期は開花採種できるだろう。
 山での開花株は全て盗掘されるとしても、母株が健全で種子を提供してくれるなら播種は継続できるものの、でも「お主も同類」と忍びない心情になる。まあ、高い塀の上を渡っているようなもんか…。

            採取ササユリ         採取ヤマユリ

水断大敵、絶滅の転帰は避けたい

2017-01-02 | 水辺環境の保全
 泥水池3の減水        チョロ水になっている

 野暮用続きで水見回りが出来なかった。大晦日に「それでも」と見回りに行ったのだが泥水池3の底が露わだった。吐水口を確認に行ったらチョロ水しか落ちていない。「河床の水路を悪戯されたか」と思いつつも車にスコップや鍬は載せていないから携帯スコップを携行し水源に行った。

 原因はすぐ判明した。導水路から水抜けが発生し、また集水升のフイルター部にヒノキの枯れ葉が堆積し少なくなった水を更に遮断していたのである。フイルター部を清掃し導水路の水抜け部を塞ぎ流入は復活したものの、全長800m落差3m程のU字形下がって上がる送水ラインは吐水口まで自然流下で水量が復活するのに一昼夜以上必要だ。二日ほどたっても回復しなければポンプによる強制通水が必要になってくる。
         水抜け  ➡   補修清掃

 想えば平成28年度は正月の三日からポンプを使用した強制通水から始まったのだった。まあ、「歴史は繰り返す」と思えば普通の事なのだろうが、断水で失ってしまう種の復活は長い時間と多くの労力を費やさねばならず、三が日の作業も避けられないのが現実だ。
 全くの予定外だったけれど「ついで」なのでオーバーフローによる排砂機能を良好にするための水路も整えて終了。この水流は水路を浸食するだろうから、結果として埋まっている止水バルブが露わになってくれるはずである。
 大晦日にこのありさまでは「転んでもタダでは起きるもんか!」と言う気になってしまう。
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