the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 



GITANESについてはもっと思い残すはずだったのに。
それとは無関係に・・・。

「年賀状をやめます」というはがきに混じって
気になるハガキが届いていた。
取引のある会社の創業者であり経営者の人なのだが
「会社を畳んで引退する。今までのご厚情に感謝する」
というはがきだった。つまり廃業のお知らせである。
会社の調子が悪かったのではない。その社長が数年前から
何度か身体を壊し、そのたびにまた回復して仕事に戻っていたのだが
もう80歳を過ぎて自分の体調が万全ではないこと、体力が
どれだけ保つのかという心配等で誰にも会社を引き継がせず
会社を畳む決意をしたということだった。
その人が会社に来られたのであいさつ。
「おお、SGCさん。」
「どうも社長。はがき拝見してショックなんです」
「いやいやもうね、今動けるうちに会社を畳んでおかないとね。
それと、何にも思い残すこともないしね。」
と、恬淡としたものだった。

また別の、取引先の会長。
この方は健康の問題があって息子さんに会社を継がせた。
健康問題については取引先の誰にも打ち明けていなかったらしいが
ひょんなことから私にバレた。70代半ばである。
誰にも口外しないことを約束させられた。もちろん約束は守る。
「いやあSGCさん、いろいろお世話になりました。
まあ身体が動く限りは働くけど、息子もそれなりにしっかりしてきたし、
もう本当に思い残すこともないんだよ」
と、こちらもあっさり仰る。

いや正直に言って、お二方ともまだまだ思い残して欲しいのだ。
そしてペースダウンは致し方ないとして、私とまったく畑違いの
業界ながら、まだまだ活躍しつついろいろと教えていただきたいのである。

って、お二方が急に消えてなくなる訳ではないだろうが
どうもあっさりしているような気がして。
二人とも自力で商売を始め成功した創業者社長である。
そういう人はみんなこんなにあっさりしているものなんだろうか。
誰でもその境遇になるのは決まっている。
そのときにはどんな心境でいられるのか。
自分としては「思い残すことはない」というフレーズは口に
しないと思う。
そして突然バッテリーが切れたように終わりたい。



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