水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「箱入り息子の恋」を観て思ったこと

2013年06月10日 | 演奏会・映画など

 一限目の演習の時間、生徒さんが問題を解いている間、ふと昨日観た1シーンが浮かんでくる。
 菜穂子(夏帆)が吉野家でひとり牛丼を食べる場面だ。今年観たすべての作品のなかで、最も心打たれる場面で、授業中なのにこみあげてきてしまったのであわてて感情をおさえざるをえなかった。
 これから牛丼食べるたびに泣いてしまったらどうしよう。


  ~ 市役所に勤める天雫健太郎(星野源)は、彼女いない歴=年齢の独身男。内気で愛想がなく、自宅と職場をただ行き来する日々を送っている。
 唯一の友達はペットのカエルだけ。
 見かねた健太郎の父・寿男(平泉成)と母・フミ(森山良子)は、親同士が婚活する“代理見合い”に参加。
 そこで知り合った裕福そうな今井晃(大杉漣)とその妻・玲子(黒木瞳)のひとり娘、菜穂子(夏帆)と正式にお見合いするチャンスを掴んでくる。実は菜穂子は、8歳のとき視力が落ちていく病気にかかり、いまではまったく目が見えていなかった。
 そんなことは知らずに一人息子の初めてのお見合いに舞い上がる天雫家と、健太郎を全く気に入っていない今井家の波乱含みのお見合いは幕をあけるが … 。
 はじめて恋に落ちた健太郎は、「好き」という感情を一気に爆発させていく。
 真剣だからこそぶざまで、滑稽だからこそ心に刺さる“35歳の童貞男”が突っ走る、たった一度の恋の行方は果たして  。 (映画「箱入り息子の恋」公式サイトより) ~


 星野源とつきあうことを禁ずる今井晃、つまり夏帆ちゃんのお父さんのことを、なんてひどい親だと感じる人はいるだろう。
 娘の意志を考えなくていいのか、自分の価値観だけを他人をおしつけていいのか、と憤る人はいるだろう。
 しかし、目の見えない娘の人生を考えたなら、とにかく経済的に余裕があり、しっかりした男性と結婚させたいと願うのは、父親として当然だ。
 もちろんその思いが、正しい形になっているとは言いがたいが、「おまえは、障害をもつ人間と接したことがあるのか、ボランティアでもやったことはあるのか、市役所に十何年も勤めて一回も昇進しないやつなんかと付き合わせられるか!」という言葉は、中身としては、そう間違っているとは思えないのだ。
 それに大杉漣さんが上手すぎるから。
 人権教育映画レベルの役者さんが同じことを言うと、話が出来すぎて見えてしまう。父親をそこまで典型的な分からず屋にしなくていいだろという目線で観てしまうものだ。
 そうならずにぎりぎり典型に陥らず、しかもリアルな世間の親の感情を描いていて秀逸だった。
 ただ、自分は「いい映画だった … 」て泣いてればいいけど、ほんとうに障害をもつ方の親御さんが観たらどうだろう。
 映画を最後まで観て、こんなにうまくいくかな、って思わないだろうか。
 現実問題として、うちの娘は夏帆ちゃんほどかわいくないしとか思わないだろうか。
 あえて書きにくいことを書いてるつもりだが、本気で考えるなら避けて通れないと思う。

 あ、お迎えの時間になってしまった。

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6月10日

2013年06月10日 | 学年だよりなど

 学年だより「どうすれば」

 「じゃあ、成績をあげるにはどうすればいいですか」
 「英語が苦手なんですが、どうすればいいですか」
 「何から始めればいいでしょうか」
 どの質問も、みんな答えはわかっているはずだ。
 成績をあげるにはどうすれば、いいか。勉強すればいい。
 英語を苦手でなくするにはどうすればいいか。英語の勉強をすればいい。
 何を勉強すればいいのか。
 やるべきことも、やりかたも繰り返し示しているし、みんなも何度も聞いている。
 つまり、先の問いは、「やらないといけないことはわかっているけど、どうしてできないのでしょう、どうすればやれる自分になるのでしょう」というのが本質なのだろう。
 「何を」「どのように」という外側の問題ではなく、やる本人自身の問題だ。
 でも時間がない? ほんとうにそうだろうか? そうでないことも、実はわかっているはずだ。
 やる気が出ない? 
 勉強するのに、いちいちやる気を出す必要などない。
 ごはんを食べるように、歯磨きするように、部活の前着替えたら自然にストレッチしているように、ふつうにノートを開き、シャーペンを動かすのだ。
 かりに「やる気」なるものが必要だとしても、それはそのことを「やること」でしか生まれないことは、すでに科学的に証明されている。
 勉強の「やる気」を出したかったら勉強するしかないし、部活の場合は練習するしかない。


 ~ 恋愛でもそうや。本当に好きな相手には一生懸命自分の気持ちを伝えようとするよね。「いつか伝われば」とか「相手が気づいてくれればいいな」と思ってアクションを起こさない人の恋愛が成就する確率って、冬の海でマンタを見つける確率より低い。人生ってのは、動かないと何も叶わないんや。勉強へのやる気が失せるってことは、大学を恋人にたとえるなら、その恋人への想いが薄くなってきたってことなんや。
 やる気が出ないって言いながら寝てばかりの人や、友だちとメールばかりして慰めあってる人たちは、受験ばかりでなく人生も成功できないやろうな。人生って短いようで結構長いからいいやって思ってる人は、いざやる気になって始めてみたら、人生って恐ろしいほど短いことに気がつくもんや。
 勉強でもそうやろう? やる気になって始めたら、「うわ、時間が足りない!」って焦って慌てて、ますます頑張る。ところが、サボってる人は、「まだ大丈夫」って言いながら、頑張ってる人を見て笑ってる。最終的に成功するのは、もちろん前者や。 (木村達哉『大学合格キムタツ相談所』旺文社) ~


 くりかえすが、みんなは「答えを知っている」。やるかやらないかは、みなさん自身の問題だ。

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