試験問題のめどがたった。じゃあ安心して新大久保でビッグバンドのライブをみよう、ソプラノサックスも調整に出したい、せっかくだから落語のCDも買いに行こうと計画がまとまり、それが叶った土曜だった。
新宿に出て金券ショップで映画の前売り券を買ってから、「落語くらぶ」で快楽亭ブラック師匠のCDを購入。店内でかかっていた白酒師匠の「火焔太鼓」があまりに面白くてあわせて購入。
近くにある、なっつっ亭グループの味噌ラーメン専門店「味噌屋八郎商店」に寄ってみる。スープが濃い。みかみさんの辛味噌がデフォルトになってしまっている身は、ほどよい濃さだ。もやしの量もほどよい。しかし、この年になって、こんな濃いものばかりに志向が傾いてて大丈夫なのだろうか。あまりの濃さにビールを所望しようかと思ったけど、あとで爆睡する危険性が大きいので自制した。
小滝橋通りのここまできたら大久保はすぐそこだろうと、そのまま歩いて楽器屋さんに向かうことにした。
百人町の交差点を過ぎると、目的地方向へまっすぐ進む路地が目に付くが、ちょっと入っていく自信がなく大通りを進む。なんかあっても鮫の旦那はかけつけてくれないだろう。
日本人比率の少ない界隈を歩き、少し時間あったので、サンマルクで『教場』を読む。期待してたほどでもなかったが、おもしろい。テレビドラマや映画にしやすい感じ。
楽器を預け、日本のビッグバンドの老舗であるニューハードさんの演奏を間近で堪能したのち新宿にもどり、武蔵野館で「さよなら渓谷」を観る。けっこうなお客さんの入りだ。すぐ隣に人がいる状況で映画を観るのは年に何回もない。新宿まで来るとこんなににぎわっているのだ。
「さよなら渓谷」は、真木よう子さんの存在感というか、女優さんとしてのスペックがフルに発揮された作品だった。その真木よう子さん自身のセリフも、考えてみると実に少ない。台本の文字量はかなり少ないだろう。一から百まで説明してくれる、テレビドラマ系列の作品とは一線を画す。
大森南朋さんのだめだめぶりも流石で、風呂場で鏡にうつした自分の肉体をみてがっくりするところなど身につまされて共感した。いくつか疑問に残るとこもあったけど、作品のせいではなく、自分の読解能力のせいだろうと素直に思える。佳品だ。