水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

偏差値29の私が東大に合格した超独学勉強法

2013年06月19日 | おすすめの本・CD

 杉山奈津子『偏差値29の私が東大に合格した超独学勉強法』(角川SSC新書)。
 静岡県のミッション系の女子校(雙葉かな?)に通った筆者は、高3まで大学に行くつもりはなかった。将来は医療関係の仕事をしたい、医療系の本も書きたいという夢を本気で考え始めたとき、大学という選択肢が見えてくる。地元を離れるなら国立しかだめと親に言われ、国立で薬学系で … 、あ、近場では東大ぐらいしかないなあと理科二類を目指すことにしたという。とはいえ、著者の通っていた高校から東大に合格するのは、一年おきに一人か二人出る程度(ちょっと似てるな)。文系でも理系でもなく芸術系コースに属していた彼女には険しい道だ。
 本格的に受験勉強をはじめて、高3の秋に受けた模試で、数学で偏差値29。
 もちろん、何の模試かで中身は異なるけど、なかなか厳しい状況だ。
 理系でなかったので、自分で数3や数Cを、生物Ⅱや化学Ⅱをやらないといけない。
  自分のクラスにそんな子がいたら、「わるいけど厳しいと思うよ」って言うにちがいない。

 思い起こせば郷党の鬼才とよばれたこの私めも、偏差値28とったな。高3の春の数学。200点中の6点だった。そうか、この1の差が、東大か金大かをわけるのか。残念。あと1あれば東大に入ってて、そしたら今頃は経済産業省でバリバリ復興の仕事してるにちがいない。社会人基礎力をがっちり身につけて。いや俺がいたら全電源喪失なんていう間抜けなことをさせずにすんだろうか(そうか、そういうミスをおかさないために、自分たちがまず人としての基礎を身につけようと設定されたのが社会人基礎力なのだろうか)。

 杉山氏が言うように(ていうか、みんな言うけど)、「勉強は質×量」である。
 これは間違いない。そして世の中の受験生のおそらく8割は、質以前に圧倒的に量不足だ。
 量はものすごいのに、質の低さで結果を出せない子が1割。
 質を高める努力を、量を増やす努力と同じくらい取り組んだ筆者だから、ほぼ独学に近い状況で難関を突破できたのだろう。
 とは言っても、『普通の主婦が50歳で東大に合格した勉強法』もそうだったように、目新しい方法、純粋なオリジナルな方法が書かれているわけではない。
 オーソドックスな勉強法も、それをどの程度ちゃんとやったか、そして愚直にやり続けたかが全てだ。
 ただ、自分のおかれた環境や、自分の適性・能力に応じたアレンジは必要だろう。
 結局は人生の成功方法と原則は重なるのだなと、あらためて思う。
 だから、受験勉強で身につける技術って、けっこう仕事とか人生の技につながる。
 たとえば「先送り」という秘技がある。自分はけっこう好きだ。
 わからないところは、とりあえず保留して先に進んでみる。しばらくして戻ってみると、つまづいていた部分でもすっとクリアしてしまうことがある。
 先に進むことで視界がひろがったり、先に進んでいるその時間、脳が無意識下で考え続けてくれたりするので、そういうことは起こりうる。
 日常の課題やストレスも、人間関係のようなものでも、ぐずぐず先延ばししていると、気がつくとなんでもないものになっていたりする。
 なんだ、思い悩んでいたあのことは、ちょっと客観的に見てみたらなんでもないじゃん、と気付くように。
 いついつまでにやらなきゃいけない仕事も、逃げ回っていたら、期限を過ぎてしまいやらなくてもよくなってたというのもけっこう好き。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする