先日、歯医者へ行った。靴を脱ぎ、スリッパに履き替えると待合室に広がるなんとも表現しがたい異臭がした。自分の足の臭いなのかとそれとも・・・と色々と考えたが原因は分からぬまま、次週の同じ時間に再度通院した。すると今度は何の臭いもしない。ホッとしていると先に待っていた中学生くらいの女の子二人の会話が聞こえた。
「ねぇねぇもうすぐ『空豆』が来るって!」
「嘘~もうすぐじゃない、嫌だ~」と話し出した。
空豆・・・あの臭いの事だと瞬時に理解した。その途端、彼女達の表現がたまらなく可笑しく、必死に堪えた。すると受付の女性がさり気なく待合室の窓をそっと開けた。医院も戦闘準備完了である。
すると間もなく、階段をコツコツと上がって来る音がする。そしてかなりお腹の出た不潔そうな「空豆」が入ってきた。そしておもむろに靴を脱ぐ。数秒後、あの先週の臭いが!
「キツイ!・・・これはキツイ
」
すると運良く私の番が来た。逃げるように診察室に入り、診察台に上ると、あの表現が可笑しくてついニヤニヤしてしまった。すると先生が「どうしました?」と問い掛ける。「いや~彼女の表現が上手くて・・・」と説明すると、マスク越しにニヤリと「困ったものです。彼女達も・・・」と小声で言ったあと「彼も・・・」と付け加えた。
幸か不幸か私はその回で終了となった。もう空豆と再会することはないだろうが、帰ってから風呂でいつもより丁寧に「足」を洗ったとさ♪
http://ics.tokyo.zennichi.or.jp/members/28837/