映画「八甲田山(1977年公開)」を観た。
【解説】 明治34年末、日露戦争を目前にして陸軍は寒冷地教育の不足を痛感していた。ロシア軍と戦うためには雪中行軍をして、雪とは何か、寒さとは何かを知らねばならなかった。その行軍の目標となったのが生きては帰れぬ冬の八甲田であった……。「小説吉田学校」「日本沈没」の森谷司郎監督が、高倉健を主演に壮大なスケールで描いたドラマ。
高倉健が亡くなった。
健さんの映画はこれまで「ブラックレイン」、「幸福の黄色ハンカチ」、「夜叉」、「あなたへ」、「ミスターベースボール(未掲示)」と数える程度しか拝見していなかったが、時間を追うごとに事の大きさに気がついて行った。訃報が報じられた翌日の休日に観た。(視聴後に続けて「居酒屋兆治」を観た~明日掲示予定)。
大人の事情と面子、指揮系統の混乱で苦悩する北大路欣也演じる生真面目な大尉の姿は現代社会の中間管理職にも通ずるものがある。ただ下手すると責任をすべてなすりつけかねない混乱を招いた三國連太郎の少佐の潔さ(諸説ありとのこと)がまだ少しは救いであった。案内人を頼み、尚且つ敬いつつ、隊員たちの防備チェックを怠らない少数精鋭の健さんチームは強かった。最後は何事も指揮官次第ってことである。
ただ・・・画面がとにかく暗くて、健さんの弘前隊なのか、欣也の青森隊なのか、そしてさらに雪まみれで尚且つ吹雪になるので誰だかがよく判断出来なかった(あとで撮影秘話を確認すると限られたライト数と酷寒の撮影だった為、上手に照らす事すら困難だったそうだ)。画面はほぼ雪雪雪吹雪吹雪だらけだったが、それだけに時折映る雪の無い八甲田の夏の新緑やねぶた祭りのシーンが眩しく映った。