花嫁の父になった。
未だに父の日に違和感を感じている親としての自覚の薄い私だが、妻と前泊して当日に備えた。当日になっても実感も緊張もなく、ウキウキ感だけが先に立つ。午前中から妻の着付けが始まるが、男性の着付けは30分程度なので部屋で待機しながら時間を持て余す。つくづく結婚式は女性のためのイベントであることを再認識しつつ、手持ち無沙汰で客室から遠~く離れたロビー隅の喫煙所に向かう途中でその日の朝に韓国を飛び立ったばかりの五女と六女とロビーでばったり遭遇。再会を喜びつつ、部屋に戻って談笑。部屋のチェックアウトと同時にロビーへ移動すると、次々に娘の友人たちと遭遇し、私の着付けの時間まで会話を楽しむ。
ようやく着付けの時間となり、ほんの20分程度で完成。親族控室で娘のウエディングドレスを初めて見たものの、まじまじと見る時間も無く、挨拶に追われ、瞬く間に式場へ新郎新婦と移動。小さな控室でバージンロードのあの「不自然な」歩き方を短時間で練習した後、すぐに教会前へ移動。扉が開く直前に「楽しい26年だったよ。有難うね」と伝えるつもりだったが、言おうとしているそばから「やばく」なりそうだったので封印。そして扉が開き、バージンロードを歩く。
参列して頂いた方々の祝福の笑顔に囲まれて、娘と歩く時間は何とも楽しい夢心地でつい途中から足並みも揃わず、二人で笑いながら歩みを進め、祭壇の前で新郎へ託す。これまでの思い出が走馬灯のように・・・なんてしみじみする時間はほんの一瞬で、式が終わると気温30℃超の屋外でライスシャワーをし、披露宴会場へと場所を移す。その間にもスピーチをしてくれる次女を始め、受付をしてくれる三女と四女や友人・知人・同僚・親族とも会話や撮影を楽しむ。披露宴が始まってもゆっくりと席についている時間は無く、ノーアルコールとノースモーキングで各テーブルへ妻とご挨拶し、あれこれと忙しなく動き回っていると、あっという間に花束贈呈の時間になってしまった。結局「六姉妹」全員と記念撮影することすら出来なかったものの、実に楽しい祝宴だった。
北は北海道、南は九州、そしてパスポートを携えて韓国・中国・タイから駆け付けて頂いた皆様。また式だけの為に正装されてわざわざご参列頂いた次女のお父様とお亡くなりになったお母様からの祝電、いつも楽しく立ち話をしてくれる幼馴染のお祝いのメッセージ、サプライズそしてカメラマンの父親譲りの素晴らしい画像の数々、知り合いがいない韓国からの友人に積極的にお世話してくれた後輩・・・そのひとつひとつが実に有難く嬉しかった。
本当にどうも有難うございました。