ホテルまで迎えに来てくれた友人の車で以前から挑んでみたかった日本一の石段へ向かう。
釈迦院御坂遊歩道の表参道の急坂に積み上げられた石段は3333段。昨年ヘロヘロになった金刀比羅宮が1368段なので約2.4倍である。友人はギリギリまで躊躇っていたが、二人ともこの日の為に(少しだけ)準備を重ね、仲良く元気に登頂を始める。ちなみに金刀比羅宮では汗だくになった経験からジャージに着替えたが、(最後まで)風邪をひいてしまうほど寒さだった。
金刀比羅宮や熊野古道の不規則な石段とは異なり、等間隔に敷き詰められ整備された石段は上りやすく、これは楽勝・・・と思ったのは最初の数百段の話で、次第に乳酸が蓄積され始め、100段ごとに立っている標識を目印にその都度休憩を取る。1000段までは果てしなく気が遠くなったが、1000段を越えると「残り1/3」「あと半分」「残り1000段」と希望が見え始めてくるが高度が上がるにつれ、寒さと積雪に苦戦し始める。
気を紛らわすため途中から標識ごとに同じポーズで記念撮影をし始めるが、次第に足を上げること自体辛くなる。何故最初のポーズで足を上げてしまったのか後悔・・・それでも元バレーボール部同士「ここで集中ぅ~」「一本で切ろうぉ~」などと声を掛け合いながら、なんとか約1時間50分でめでたく3333段を制覇した。ちなみに石段コンテストの優勝者のタイムは約25分程度だった。
あとは下るだけだと思ったものの・・・この下りが辛かった・・・大笑いして痙攣し続けてる膝に加え、頂上付近の御影石の石段には雪が凍り付いていて滑る滑る。滑落の恐怖で設置された手すりに掴まりながら下山するのだが、この手すりが冷え切っていて素手では掴めない。冬は手袋が必需品のようだ。さらにさらに上りでは感じなかった股関節やふくらはぎの痛みで一段ずつ両足でゆっくりと降り、手すりの無い階段も何か所もあり、慎重にゆっくりと下った結果、上りと同じくらいの時間が掛かってしまった。降雪時にはスパイク仕様の靴が必需品のようだ。
石段登頂後に2012年以来8年ぶりの菊池温泉へと向かう。偶然にも友人が予約してくれた宿は前回と同じだった。温泉でゆっくりと石段の疲れをとる・・・と言うよりも疲れよりも痛みが辛く、夕食後に泥のように寝てしまった。
翌日もぎこちない足取りのまま、昼過ぎに熊本空港で友人と別れ、東京へと戻った。ちなみに痛みは三日間続いた。もう二度とやりたくはない苦行であったが、また少し時間が経てば上りたくなるんだろうな。
付き合ってくれてどうも有難うね。