映画「冷たい熱帯魚(2011年公開)」を観た。
【解説】上映時間約4時間の『愛のむきだし』などで話題となった鬼才、園子温監督による人間の狂気と愛を描いた作品。実際の猟奇殺人事件に触発された園監督が、猟奇殺人事件に巻き込まれることになる男性が味わう深い心の闇に迫る。主演は、『掌の小説』など数々の邦画に出演しているベテランの吹越満。共演者も『嫌われ松子の一生』の黒沢あすかや『月と嘘と殺人』のでんでんら実力派ぞろい。第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門正式出品の問題作に、震撼(しんかん)させられる。
でんでんの胡散臭さが実に秀逸である。逃げちゃえばいいのにと思う反面、きっと逃げられないんだろうな~と洗脳されていくさまがかなりリアルであった。また黒沢あすか、神楽坂恵らの独特のエロスがやたら生々しく伊丹作品とはまた一味異なる「悪とエロスの表裏一体」であったのは日活作品だからだろうか?
後半からは鬼畜ワールドが展開され、〇〇を刻む鼻歌交じりの妻はちょっとしたホラー映画より怖い。
とにかく非常に気分の悪い作品であったものの、エロスと共にやたら強烈な印象に残った。