映画「0.5ミリ(2013年公開)」を観た。
【解説】俳優・奥田瑛二の長女で映画監督の安藤桃子が、実妹・安藤サクラを主演に起用した初の姉妹タッグ作品で、自身の介護経験から着想を得て書き下ろした小説を映画化した人間ドラマ。介護ヘルパーの山岸サワは、派遣先の家族から「冥土の土産におじいちゃんと寝てほしい」との依頼を受ける。しかしその当日、サワはある事件に巻き込まれ、家も金も仕事も全てを失ってしまう。人生の崖っぷちに立たされたサワは、訳ありの老人を見つけては介護を買って出る、押しかけヘルパーとして生きていくことになる。共演に柄本明、坂田利夫、草笛光子、津川雅彦ら。
ごめんの文字で高知だと気が付き、ひろめ市場なんだろうな~と勝手に身近に感じつつ、安藤サクラの自然な笑顔と会話が実に心地よく、冒頭深刻なシーンにも関わらずワルツが軽やかに流れる。五人の老人が登場するのだか、三人目までは好きな人物と内容で、特に二人目三人目はとても粋なお爺ちゃんなのだが、四人目からは俳優のランクアップによるものなのかエピソードがやたら長くなり、中だるみの中、10年前としては斬新な展開を迎える。施設スタッフたちの異様さ、いすず117クーペがやたら格好良く、添い寝、寄り添うことと触れ合うこと、会話の大切さそして食事のシーンがとても良く、食べることの大切さも痛感する。ヘルパーさんの仕事の大変さと素晴らしさのふたつを体感できる作品で、安藤サクラの義父・柄本明が出演し、エグゼクティブプロデューサーは実父・奥田瑛二、監督の姉とサクラ・ファミリーの196分であった。
劇中印象深いシーンがあった。授業があると出掛けるのだが、ショッピングモールでソファで時間を潰すプライドの高い元教師。ひとり旅でデパートに寄ることがあるのだが、帰りの便の都合で営業開始時間と共に入店することが何度かあるのだが、すでにご年配の方が店内の椅子やソファに座っている姿を何回も見たことがある。「きょういく きょうよう」の大切さである。