転職を促すCMがバンバン流れ、簡単に稼げると謳うスキマバイトや時給アップを促す宣伝もよく目にするようになった。飲食店の馴染みの店長さんたちは「人が集まらない」「ようやく来たとしても数日で来なくなる」「好条件を出さないと見向きもされない」と異口同音に嘆いている。さらに飲食店にも関わらず「週末休み」を求められることもあるそうだ。また職人さんには色々と好条件のオファーがあるそうで、結構短い期間で退職することが少なくないが、聞いていた好条件とは異なり、結局またすぐに転職するとも聞いたことがある。
そんな時代なんだなと思うものの、昭和生まれからするとどうにも違和感を感じてしまうのは、石の上にも三年の意味「冷たい石の上に3年座っていれば石が暖まってくることから、最初はつらくても長く辛抱していればやがて報われる」に今も共感しているからだと思う。仕事の面白さは一朝一夕ではなかなか分からないし、やってみてすぐに面白くないと決めつけてしまうと、その後も辞め癖だけが付いてしまう気がする。そもそもやりたい仕事ってなかなか見つからないと思う。不平不満を口にするよりもとりあえずは与えられた仕事をいかに面白くこなしていくことが、将来的にも人間的にも成長につながるんじゃないかな?と思う。「井の中の蛙大海を知らず」の後には「されど空の蒼さを知る」が続くのである。
保険代理店の研修生だった20歳そこそこの頃、支社の女性社員さんに言われたこと「給料分は働きなさい」「自分の身は自分で守りなさい」を時々思い出す。今一度しっかりと自分に言い聞かせようと思う。