公開中の映画「糸」を観に行った。
【解説】1998年にリリースされた中島みゆきのヒット曲「糸」をモチーフに、菅田将暉、小松菜奈演じる平成元年に生まれた男女の18年間を生活者からの視点から見た平成史とともに描いていく、瀬々敬久監督作品。平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育ち、13歳の時に出会った2人は初めての恋をするが、葵は母親に連れられて北海道を去ってしまう。8年後、21歳になった漣は、友人の結婚式のため訪れた東京で葵との再会を果たす。しかし、漣は北海道でチーズ職人、葵は東京、沖縄へと自分の世界を広げ、2人は別の人生を歩み始めていた。さらに10年の時が流れた平成最後の年、2人は運命の糸によってふたたびめぐり会うこととなる。漣役の菅田、葵役の小松のほか、斎藤工、榮倉奈々、山本美月、倍賞美津子、成田凌、二階堂ふみ、高杉真宙らが顔をそろえる。
今年に入ってから映画館での予告編で観たかった作品であったが、新型コロナの影響でようやく封切られた。平成元年生まれのふたりの平成30年間の出来事がリーマンショックや東日本大震災等の平成の時代背景と共にBGMが邪魔することなく淡々と描かれている。中学生の無力さと久しぶりに再会した際に名前ではなく苗字で呼ぶ二十歳前後の男のまどろっこしさが懐かしい。また中島みゆきの糸を始め、「時代」「ファイト」が使用されており、エンディングが流れる菅田将暉バージョンの糸がいい感じである。予告編で存在感を示していた榮倉奈々が本編でもかなり印象的だった。
幼い娘に食事を与えるシーンとラストに元義父の涙についうるうるしつつ、予告編で少し「ヒント」を出し過ぎた感は否めなかったが、良い作品であった。