映画「誰も知らない(2004年公開)」を観た。
【解説】12歳の長男役を演じた柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。父親が異なる4人の兄妹と母の母子家庭。アパートを追い出されないために、父が海外赴任中で母と息子の2人暮らしだと偽って暮らす彼らは、そのため学校にも通ったことがない。だが母親に新たな恋人が出来て、兄妹に20万円を残して失踪、子供たちはなんとか自分たちで暮らしていこうとする。監督は「ワンダフル・ライフ」「ディスタンス」の是枝裕和。
冒頭そばを菜箸で食べる母親と引っ越し荷物の段ボールを椅子にして食事をする子供のシーンだけでその家の状況がよく分かる。幼い長男が背負う絶望的な責任感を始め、多感な頃を密室で失われた子供たちの伸びた髪まで終始せつないシーンが続く。
是枝作品の特徴である自然な子供たちの会話がさらに重く深く考えさせられる作品だった。幼い親に育てられる子供たち・・・