映画「街の灯(原題City Lights 1931年公開)」をすみだトリフォニーホールで観た。
【解説】「サーカス」に次ぐチャールズ・チャップリン作品で、例によって自ら原作脚色監督主演したもの。カメラはチャップリン映画専属のローランド・トセローがゴードン・ポロック及びマーク・マークラットを助手としてクランクしている。助演者はこの映画でデビューしたヴァージニア・チェリル、ハリー・マイヤース、「進めオリンピック」のハンク・マン、アラン・ガルシア等である。チャップリンは発声映画反対主義であるから、台白は用いず擬音と伴奏楽のみを付してある。なお本邦上映の分には日本字幕が挿入されている。
最近流行りのオーケストラと映画のコラボで昨年5月公演予定だった延期公演。同ホールを本拠地としている新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏とホールに設置してある巨大なパイプオルガンも楽しみに休日の夜に出掛けた。前後左右は空いた状況で2階席真ん中に腰を下ろすが、パイプオルガンはスクリーンの裏で見えず・・・
これまで数え切れないほど観て、以前リバイバルでスクリーンでも観たほど同じ誕生日であるチャップリン作品の中で私は好きな作品である。デジタル修正された古い映像と生のオーケストラに最初こそ馴染めなかったものの、すぐにチャリーの世界に誘われる。
現在のコメディの基礎となっているお笑いシーンは今よりなめらかで軽快な気がする。ボクシングの勝敗の記憶違いに自分自身に驚きつつ、有名なラストシーン。彼女の「YOU?」にはこれまでずっと落胆な気持ちのYOUだと思っていたが、この年齢で改めて観るとほんの少しだけ違ったYOUにも思えた。どんな状況になっても紳士でいることは大変であるが武士は食わねど高楊枝はいつの時代でも粋で素敵である。