映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語(2010年公開)」を観た。
【解説】仕事に追われ、家族を省みることのなかった50歳目前の男が、ふと人生を振り返り、幼いころの夢を追い求め始める感動ストーリー。監督は『白い船』などで知られる島根出身の錦織良成。主人公の男を『亡国のイージス』の中井貴一、その妻を「天地人」の高島礼子、娘を『ドロップ』の本仮屋ユイカが演じている。一畑電車の走る島根の風土を描きながら、家族や仕事といった人生の普遍的なテーマを扱った深遠なストーリーが感動を呼ぶ。
ひとり旅で2019年に島根へ訪れた際に本作品のことを知ったのだがなかなか機会が無く、ようやく視聴することが出来た。ちなみに以前本作品だと思って観始めたら「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」だった・・・50歳は仕事や家族、夫婦、親子そして人生と様々なことで岐路に立つ年齢であり、劇中の「歳をとると変われなくなる」の台詞通り、変えるのであれば最後の年齢なのかも知れないが、変われる準備を続けていれば年齢は関係ないようにも思えた。
主人公は幼い頃からこの年齢までずっと夢見ていた訳ではない点がやたらリアリティがあり、また合格発表時に49歳ならではの絶妙な表情を見せてくれる。楽しい仕事に就く喜びは観ていて気持ちが良いのだが、それが新卒ではなく50歳手前の転職である点にさらに深みと重みがある。妻は東京での生活を選ぶのだが、この年齢になればそんな選択肢もありかと思う。
電車と景色が実に素晴らしく、前回は乗車しなかったが次回は是非とも車窓を楽しみたいものだと思った。
本作品中で幼児が運転席に入るシーンがある。私が小学生の頃、走行中にも関わらず運転手さんに導かれ運転席に入れて貰ったことがある。今では考えられないことだが、そんな昔のゆったりとした時代を思い出した。