入居者さんが病院でお亡くなりになった。
入居された当初私はまだ20代でそれから約30年近く入居して頂き、賃料の支払いが遅れることも近隣トラブルも無かったとても穏やかで物静かな女性だった。賃料お支払い時にお互い好きなジャイアンツの話をしたり、他愛もない雑談するひとときは私にとって好きな時間で、数年前に室内設備に不良があり、かなりご不便をお掛けした時にも快く応じて頂いた。
今年に入り、ご友人が賃料を代理で持参された際に入院中であることを知った。それから一度だけご本人が来社されたのだが、しばらくしてご親族の方から余命いくばくもないことを知らされた数日後にお亡くなりになったとの連絡が入った。後日遺族の方で室内荷物の撤去を行い、主(あるじ)不在のまま明渡が完了した。長年の入居にも関わらず室内はかなり大切に使って頂いたのが分かる。これまで何人ものオーナーさんや入居者さんとお別れしたが、その方のお人柄が最期の清算に表れるように思えた。
私の好きなトータス松本&椎名林檎の「目抜き通り」には「あの世でもらう 批評が本当なのさ」という歌詞がある。まさにその通りだと思った。心から合掌・・・