北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

実験、オオモンシロチョウ♀を凍てつく庭に放してみた。

2020-01-12 21:36:55 | オオモンシロチョウ
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実験、オオモンシロチョウ♀を凍てつく庭に放してみた。


2020-1-5 (日)  晴れたり曇ったり +3℃〜 -12℃ 


寒そうな外を見ているうちに、先年マイナス20℃の真冬、雪の庭に丁度羽化したミヤマカラスアゲハを飛ばせてみたときのことを思い出し、今日、正月あけ、プラス3℃だが凍り付いている庭にオオモンシロチョウを飛ばせてみました。



まず、元気の良いオオモンシロチョウ♀を、プラス3℃の庭にほいっと飛ばせてみた。



空中にほおったこの♀はまったく羽ばたかずストンと凍った庭に落ちた。



ミヤマカラスアゲハと同じパターンだ。



地面におちたあと、少し歩いたがすっと横に倒れた。



そしてほとんど仮死状態になってしまった。ピクリとも動かない。






しばらく撮影したあと、23℃の部屋にもどすと、5分後には生き返ったようにゆっくり歩きはじめ10分後には室内を飛び回った。






-20度Cの寒冷暴露でミヤマカラスアゲハは即死したが、今日、+3度C 程度ではオオモンシロチョウは可逆性の仮死状態に陥ったにすぎませんでした。






  この項、続く。



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オオモンシロチョウ越冬蛹、次々と羽化、汗を吸う

2020-01-10 01:11:23 | オオモンシロチョウ
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オオモンシロチョウ越冬蛹、次々と羽化、汗を吸う。



2020-1-5 (日)  晴れたり曇ったり +3℃〜 -12℃ 



朝は快晴。



その後は晴れたり曇ったりの天気で気温は庭の実測値では 11時頃 プラス3℃。 



しかし地面はカチカチに凍っていて、一昨日はらりと降った雪が地表にかすかに残っている程度。




全く異例のことだが正月というのに北見市には雪が積もっておらず、こんなことは正に初めての冬である。



居間の隅っこに置いてあるオオモンシロチョウの越冬蛹の入ったタッパをみるとチョウがパタパタやっており、2♂♂5♀♀が今日羽化していた。


部屋が室温22〜25℃くらいなのと今日はとりわけ天気がよくて部屋が明るく、陽光が入ってきてさらに室温があがったため急に羽化に至ったようだ。






これまでも寒い曇った日が続いたあと、急に天気がよくなり気温が上がったときに( 春がきたのと間違えて ? )パラパラとオオモンシロチョウ越冬蛹からの羽化が続いていました。



羽化したオオモンシロチョウを手に乗せると、盛んにストローを伸ばしますがきっと汗を吸っているのだと思います。








南米のタテハチョウの中にはストローを強引に汗腺の中に差し込んでくるものがいて、チクチクと不快な痛みを感じますがオオモンシロチョウは控えめに汗を吸っています。

メスグロヒョウモン♂も皮膚の汗をすうとき ストロー先端を汗腺に刺入します。







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愛知県にオオモンシロチョウ出現は誤報でした。

2019-07-11 01:25:02 | オオモンシロチョウ


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愛知県にオオモンシロチョウ出現は誤報でした。


残念ながらというか幸いなことにというか 蛾の幼虫でした。


さっそく愛知県のSさんからメールと幼虫の写真が送られてきましたが オオモンシロチョウの幼虫ではありませんでした。


愛知県に オオモンシロチョウ出現ということは ありませんでした。



送られてきた画像をみますとオオモンシロチョウではなく多少オオモンシロチョウ幼虫に似た 蛾の幼虫 とおもわれます。











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愛知県に突然オオモンシロチョウ出現 ??????

2019-07-08 22:44:41 | オオモンシロチョウ
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愛知県に突然オオモンシロチョウ出現 ?????


私の先般の一連のオオモンシロチョウのブログ記事を御覧になった方から下記のような驚くべきコメントをいただきました。




2019-07-06 22:25:29
検索して、こちらのブログにたどりつきました。
愛知県在住です。
無農薬の小松菜に幼虫がおり、子どもが育てています。
検索したところ、オオモンシロチョウと結論がでましたが、再検索すると分布は北海道。本州それも愛知県にいるはずないチョウのようで…。
もし、オオモンシロチョウでしたら、逃しても良いのでしょうか。
よろしければ教えてください。




愛知県にオオモンシロチョウとは驚きです。


視点によっては、けっこうな大ニュースといえます。


何故、これまで未記録であった愛知県に突然オオモンシロチョウが現れたのか類推すればきりがないかもしれません。


自然にオオモンシロチョウ自らが自力で分布を広げたにしては分布にまったく連続性がなく、あまりにも突拍子がないので、きっと何らかの人為が背景にありそうな気がします。


北海道・東北や中国など大陸からの流通物に複数の蛹や卵がついていた可能性、誰かが人為的に放した可能性( これは犯罪的です )、愛好家が飼育していた個体が不注意で複数個体逃げた場合、等がまず頭に浮かびます。


愛知県のオオモンシロチョウが北海道・東北の個体群に由来するのか、中国など大陸系由来のものなのかはチョウの前脚1本いただいてDNA 解析をすればわかるかもしれません。




2018-9月 北海道北見市で羽化したオオモンシロチョウ♂




2018-9月 北海道北見市で羽化したオオモンシロチョウ♀




ところで、ご質問の羽化したオオモンシロチョウを放蝶してもよいかどうかについては、現時点では絶対に野外に放さないことをお勧めします。


私も昨年、羽化させたオオモンシロチョウは全て標本にしました。



オオモンシロチョウは恐ろしい攻撃的外来種の側面をもった蝶です。


特に侵入初期には、しばしば想像を絶する猛烈・爆発的な繁殖力を発揮する可能性があります。


北海道の例をみるまでもなく、燎原に火事がひろがるような勢いで急速に分布をひろげ、無農薬野菜農家などには多大なる被害が出る可能性があるほか、在来種のモンシロチョウやスジグロシロチョウ等の生態系を大きく攪乱(駆逐してしまう)することが考えられます。


北見市では最初の一匹が発見されたときは、発見者の小学生を褒め称え、愛好家はなんとかオオモンシロチョウを見つけようと躍起になったものです。


しかし、数年後の惨状は何度もブログなどで紹介したとおり北見市から在来のモンシロチョウやエゾスジグロチョウは消え、飛んでいるのは全てオオモンシロチョウといった恐ろしい世界になってしまいました。

その後の長い経過では、オオモンシロチョウは恐らく、農薬や寄生蜂とのバランスや、食草を食い尽くして幼虫群自滅など、種々の理由から徐々に自然消滅したかに見えましたが昨年、我が家の庭の小松菜に忽然と姿をあらわしました。


2019-7-6 我が家の庭に力強く飛翔中のオオモンシロチョウ1♂を発見しました。これからどうなってゆくのか慎重に経過をみたいと思います。


ところで、愛知県のオオモンシロチョウは学術的にもとても興味がありますが、まず新聞やテレビに報告して、マスコミの力を借りる形で現状を把握するのがよいと思います。


もし出来ましたら、2019年、愛知県で発見されたオオモンシロチョウ として北海道昆虫同好会雑誌の jezoensis に御寄稿いただければ幸いです。


北海道昆虫同好会事務局の南陽堂のHP にメールアドレスをいただければ、こちらからご連絡したいとおもいますのでなにとぞ宜しくお願いいたします。



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2018年秋、北海道北見市におけるオオモンシロチョウの発見 始末記

2019-06-11 23:37:02 | オオモンシロチョウ
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2018年秋、北海道北見市におけるオオモンシロチョウの発見 始末記


2018-8-26 (日) 曇り

北海道北見市内のわが家の庭で徒長した小松菜(こまつな)に、オオモンシロチョウ の終令幼虫多数と2-3令幼虫少数を発見し、タッパウエァに収容した。
 

2018-8-27 (月) 小雨

オオモンシロチョウ幼虫 2令少し、3令少し、4令多数 合計53匹。 ワサビの葉を猛烈に食べて猛烈に糞をだす。



2018-9-2 (日)  晴れ

この日までにオオモンシロ15匹が蛹化。29匹からは寄生蜂(アオムシコマユバチ)がでた。



残り9匹は何となく斃死してしまった。



蛹化率 15/53=28%。




2018-9-7(金) 晴れ のち曇り



夜 オオモンシロチョウ 4♂♂1♀ 羽化しており撮影した。



























2018-9-13 までに15蛹から6♂♂9♀♀のオオモンシロチョウがすべて順調に羽化した。






羽化失敗例はなく蛹から寄生蜂が出ることはなかった。







蛹化した場合は蛹からの羽化率は100%です。





考案: 今回わが家の庭に発生したオオモンシロチョウが、北見市に細々と生き残っていた個体群の末裔なのか、あらたにどこかから北見市に飛来したものか、大陸方面からの輸入産物(材木についていた蛹など)に由来したものか、大陸から飛来したものか、誰かの放蝶などかなど、由来はまったく不明。


北見市では最近本邦初記録のキタミトホシカミキリが発見されたが、これもオオモンシロチョウと同様に大陸には普通にみられる昆虫であり土着の可能性も含めてその由来が検討されている。



今後の北見市でのオオモンシロチョウの動向に注目してゆきたいと思う。









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