北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

脳を支配された幼虫はアオムシコマユバチの繭に糸かけを行いそれを守る

2019-06-08 01:48:10 | オオモンシロチョウ
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脳を支配された幼虫はアオムシコマユバチの繭に糸かけを行いそれを守る


2018-8-30 (木) 曇り


寄生蜂が出てきたオオモンシロチョウ幼虫はややしぼんだ格好になるが、当面死ぬことはない。




それどころか、次々と繭をつくってゆくアオムシコマユバチにみずから糸を吐いて強固な繭に仕上げてゆく。












こうして黄色い強固な繭群を作り上げると、衰弱しきったオオモンシロチョウ幼虫は、しばらくは繭群に張り付いて守っているが、やがてしぼんだようになって死んでゆく。



このとき、こよりなどで繭塊に触れようとするとやせさらばえた幼虫は激しく頭を振って繭を守ろうとする。




この行動は以前、このブログで紹介したごとくエゾシロチョウ終令幼虫が自分から出てきたアオムシコマユバチの繭に糸かけをして強固なものにすると同時にそれを守って、しばらくは張り付いたようになっているのとまったく同じ行動である。


アオムシコマユバチに寄生されたチョウの幼虫たちは明らかに脳まで支配されていると言える。




やがて アオムシコマユバチ寄生を免れた少数の終令幼虫が蛹化しはじめた。







  この項、続く。

      



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オオモンシロチョウ終令幼虫から寄生蜂幼虫出現

2019-06-01 20:14:05 | オオモンシロチョウ
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オオモンシロチョウ終令幼虫から寄生蜂の幼虫出現

2018-8-30 (木) 曇り


タッパーに収容したオオモンシロチョウ幼虫は K氏が集めてくれたワサビの葉を猛烈に食べて体が大きくなってきた。











大型になった終令幼虫は単独で動くものと、摂食をやめタッパーの壁に集結して静止しはじめるグループに分かれた。



やがて後者のグループの幼虫の体を食い破ってアオムシコマユバチの幼虫が出てきた。





その光景はとてもおぞましいものでニョロニョロ、ヌルヌルといった感じで次々にハチの子たちが出てくる。



寄生蜂終令幼虫はみるみる蛹化し蛹のまわりは自ら線維を吐くだけでなく、オオモンシロチョウ幼虫も自らの体を食い破って出てきたにっくき寄生蜂の蛹に入念に糸かけをして強固な黄色い繭塊を形成してゆく。















さらに自らの命は終わるまでこの繭を死守するという奇異な行動をとる。








       この項 続く。



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オオモンシロチョウ幼虫を庭から回収

2019-05-31 01:10:25 | オオモンシロチョウ
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オオモンシロチョウ幼虫を庭から回収



2018-8-26 (日) 曇り

その後 この蝶は 東北にも出現、青森県 秋田県 岩手県でも発見され 一方では 1998-9-18 遠く離れた対馬でも1♀が記録されている。  しかし 北見では2010-7-11(日)の市内公園町での撮影を最後に見かけなくなっていた。そしてその後、在来種のモンシロチョウが大復活している。北見市から完全に消えたかにみえたオオモンシロチョウを今回、8年ぶりに再発見したことになる。



とりあえず幼虫たちをタッパに収容した。













モンシロチョウ終令幼虫は全部アオムシコマユバチの寄生をうけており全滅した。




寄生されたシロチョウ科幼虫の常として、自分の体から出てきた寄生蜂が蛹化すると、最後の力を振り絞って自らその繭に糸をかけて強固なものにするという一見奇妙な行動をとる。




さらに、自らの命が終わるまで、その繭塊を死守するのだから、寄生された幼虫は脳まで寄生蜂に支配されていると言える。









庭のコマツナは葉が少なく、このままではエサ不足でタッパに収容したオオモンシロチョウたちはエサ不足で全滅するだろう。




今回、私が発見したオオモンシロチョウ幼虫群は、放置すれば間違いなく小松菜の葉を食い尽くし、蛹化前に餓死・全滅したと思われます。




余りにも増えすぎたオオモンシロチョウが北見で消滅した理由の一つかと思われます。




ホーマックにゆき種子を購入し 裏庭を整地して コマツナ1袋 ハツカダイコン2袋 を撒いた。
 



次世代のオオモンシロチョウを呼ぶためだ。  


オオモンシロ来るかな。 何故か、わくわくした気持ち。



さて、収容した大食いのオオモンシロチョウたちのエサを確保しなければならん。



K氏へ電話 し彼の家のおとなりのワサビの葉をいただいて明日持ってきてもらうことになった。



F 氏は ワサビを刈り取ったばかりとのことで最近はカマキリを飼っている由。


               この項、続く。





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8年ぶりに再発見、北見市から消えていたオオモンシロチョウ

2019-05-29 07:28:56 | オオモンシロチョウ
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8年ぶりに再発見、北見市から消えていたオオモンシロチョウ


オオモンシロチョウ Pieris brassicae Linnnaeus 1758  は ヨーロッパ原産でもともと日本にはいなかった。1995年に北海道京極町で発見され注目されたが、その後北海道全域に急速に分布をひろげ、その際、各地で在来種のモンシロチョウを駆逐していった。2007年頃から理由は不明だが各地で急速に激減しはじめ北見市からは2011年9月4日を最後に完全に姿を消した。


2018-8-26 (日) 曇り



庭の徒長した小松菜(こまつな)に、本当に久しぶりにオオモンシロチョウ の終令幼虫多数と2-3令幼虫少数を発見し驚いた。
 

















モンシロチョウ4令幼虫も3匹いたが一匹は、はや寄生蜂アオムシコマユバチの黄色い繭ができていた。

 

北見市ではかって外来種のオオモンシロチョウだらけになってしまい 在来種のモンシロチョウが消えてしまった。



外来種のオオモンシロチョウに負けて在来種のモンシロチョウが消えてしまったのです。



私はオオモンシロチョウをよぶために、わざわざ庭に野生のワサビを大量に繁らせて、オオモンシロチョウに多数産卵させ、そこで多数の個体が羽化して乱舞するのをながめて悦にいったりした時期もありました。




しかし10年前からオオモンシロチョウはパッタリと姿を消し在来種のモンシロチョウが復活しはじめた。



理由は種々推測されましたが本当の理由はわかりません。 



野外では、最近はすべてが在来のモンシロチョウにもどり、この10年ほどはオオモンシロチョウを見かけることがなかった。



不思議なもので、本来なら存在してほしくないとおもっていた外来種オオモンシロチョウですが いなくなってしまうと急にさみしい気持ちになったものでした。



いなくなるのがわかっていたなら展翅標本を沢山作っておくべきだったと嘆いていた北見市の蝶愛好家もいました。








今回、北見市でオオモンシロ発見は少なくとも私にとっては、まさに8年ぶりくらいでしょうか。











      この項、続く。





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2014〜2016年、札幌市で庭のヤマワサビにオオモンシロチョウ継続発生

2016-10-04 23:12:13 | オオモンシロチョウ
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2014〜2016年、札幌市で庭のヤマワサビにオオモンシロチョウ継続発生


札幌市豊平区西岡の自宅では、2014年にこの蝶をよぶ目的でヤマワサビを植えてから3年間、毎年オオモンシロチョウが発生しています。




観察していると例年9割以上が寄生されています。




北海道に侵入した当初は、終齢幼虫を採集しても殆ど寄生がなかったのに大きな違いです。

モンシロチョウもスジグロシロチョウも同じ株で発生しています。

寄生によりこれらの蝶たちのバランスが取れているのかも知れません。

寄生しているのは恐らくアオムシコマユバチの可能性が高いと思います。

気が付けば今年もヤマワサビにオオモンシロチョウ幼虫がついていたといった感じでこの3年間、発生が継続しています。

隣の庭に成虫がいたので、写真を撮らせていただきました。

羽化したての雌でした。










オオモンシロチョウの道内記録は毎年、同好会誌の「うすばき」に載せています。

写真は、全て2016年9月29日に撮影しました。


       森 一弘


道東では最近ほとんど見かけなくなったオオモンシロチョウですが札幌〜道南ではいまだ健在のようですね。

かってほどの勢いはないようですが寄生蜂などにより発生状況がコントロールされているとすれば興味深いことです。

北見市では、ハツカダイコンや山わさびを植えておけば毎年おびただしい数のオオモンシロチョウが見られたものですがこの4−5年ほどは完全に消えてしまいました。

それにともない、ほとんど見かけなかったモンシロチョウが完全に復活しています。 

札幌市での発生状況、これからも継続的に発信してください。

ところで、外来種といった色メガネをはずすと、羽化したてのオオモンシロチョウはカルミモンシロチョウ並みにけっこう美しく見えますね。




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