北見市周辺では(2017~2020)オオヒカゲは健在。
オオヒカゲ Ninguta schrenckii Menetories はわが国では北海道と本州に分布する。
とはいうものの、近年産地はきわめて局所的で、本州では生息地の環境破壊が急速にすすみ各地域で県の準絶滅危惧種~絶滅危惧2類~絶滅危惧1類などに指定されている。
たとえば京都府では準絶滅危惧種に指定されている。岐阜県では絶滅危惧2類
しかし、珍稀種を追い求める傾向が強い蝶愛好家たちにとって、従来さほど魅力的には見えない蝶の筆頭がオオヒカゲであった。
北海道では道内各地に普通と考えられてきたが、今現在ではどうなのか、実はまったく把握されてはいない。
急に気になって北見市界隈のオオヒカゲを探し回ってみた。オオヒカゲを目的に撮影に出たのは、考えてみれば初めてのことでした。
結論から言いますと、幸いなことには 2017~2020の調査では北見市界隈でスゲの群生地のあるところにはオオヒカゲは稀でなく見られることがわかりました。
よかった。 ひらたく言えば普通種のままであったということです。
近年、カラフトヒョウモンやイシダシジミのようにあれほど沢山いた蝶がいつのまにか、身近な環境から消えてしまったのに気づき、心底驚いた経験から、実はオオヒカゲも心配していたのでしたが杞憂でした。
棲息環境は山裾の湿地や林道沿いのやや広い湿地でガマの穂がみられるような場所には大抵発生していた。
畑作地帯の近くは湿地があってもオオヒカゲは見られず、他の多くの昆虫類と同様に、農薬の影響が考えられる。
7月下旬から8月上旬が発生の盛期で汚損個体は8月下旬にもみられる。
オオヒカゲの発生地。
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