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エゾツマジロウラジャノメと日高山脈チロロ川上流のカラフトタカネキマダラセセリ
今から何十年も前、はるか昔のこと。
卒業して半年もたたない私は急遽、日高の平取町に赴任した。
平取町からは当時秘境と言ってもよかった日高山脈の奥深い沢筋に入り込み、蝶や魚を調べに行くのは地理的にとても有利であった。
蝶に関してオホーツクの北見市がフィルドであった私にとってはこの付近はまったく未知の世界、毎日が新発見につぐ新発見、ときめきの連続であった(その思いは 拙著 平取の蝶類 にまとめました。)。
なかでも千呂露川上流で、当時珍蝶中の最珍蝶とされていたエゾツマジロウラジャノメの生息地を発見したことは日本の蝶界に衝撃を与えた大ニュースでした。
ここでの観察によりまったく謎であったこのチョウの生活史が解明されました。
野外での食草はタカネノガリヤスという何とも格好良い名前のイネ科植物でしたが、私はそのへんにある牧草オーチャードを用いてこのチョウの大量飼育をおこないました。
ここは今では日本の蝶屋さんなら知らない人はいないぐらい有名な採集地となりましたが、その反面、肝腎の蝶たちはとても少なくなってしまったようです。
それでもエゾツマを見たい一般の蝶愛好家たちは今のところ、どうしてもここを訪れるしかないようです。
ここでは少ないながら他の北海道特産の蝶たちもしばしば現れます。
その代表選手カラフトタカネキマダラセセリは、いけば大抵見られる。
黄金色の羽根をきらめかせてめまぐるしい速さで飛ぶ♂に対して♀は比較的ゆっくり飛んでこの紫の穂状の花によく吸蜜する。
この花にはエゾツマジロウラジャノメもよく吸蜜に飛来する。
2012年7月上旬、ここを訪れエゾツマの採集をおこなった方が、その合間、丁度一息ついたところに現れたカラフトタカネキマダラセセリ♂♀のナイスショットを撮った。
こんな見事な写真は滅多に撮れないのでご紹介させていただきました。
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