玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

長い20世紀

2023-02-13 14:48:57 | 

予約していたアリギの『長い20世紀』作品社を図書館から借りて来た。想像通り大物で運ぶだけで大変。もっとも全部読む気はない。最終章の「資本主義は生き延びるか」を読めればいいと思っている。(でも、実に良い題名だ。21世紀は、私の生きた世紀とはなるまい…。)

この本を読もうと思った理由だが、ほぼ一年かけて読みこなせない本がある。それは白井聡の『国体論』だ。その結論部分にアリギの当該著作が引用されているからである。

白井の『永続敗戦論』は気が付かされることが多く、かなり読み込んだ記憶がある。が、今度の『国体論』は頂けない。

何が?と問われれば、一口で言って、「国体」という言葉が戦後死語となったからだろう。特に「国体」は各々の立場で自分に都合よく利用、解釈されてきた言葉であった。特に「ポツダム宣言」を受諾した時に、唯一の条件として「国体護持」を持ち出したことだ。

この時に、軍人たちは散々利用してきた「国体概念」の中に天皇を護る意味があっても、軍人を守る意味がないことに気が付いた。つまり此の國の総括概念とは成っていなかったのだ。結局、軍部は4つの条件を提案したが、採択されなかった…。

その薄い概念の「国体」が、戦後は、アメリカが天皇に成り代わって、また「国体というモノ」が存在するというのが白井の仮想論考なのだろう。

少しきれい過ぎないか、現実はもっとドン臭い理由のアメリカ従属化なのではないか!と、私は想う。

彼の論考を拒否はできるが、理由をもって否定したいと思った。それで、此の分厚い本を借りてきた次第だ。もう先がない身としては、終活の意味からも、金銭的にも買わないで済まそうと思っている。

 

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