デモクラシータイムズの「3ジジ放談」の平野貞夫氏の本である。
先月に読み終えたのだが、どうも書く気になれなかった。
理由は、辺見庸の云った「1999年の堤防が決壊した年」の理由や内実がほとんど触れられていなかったことだ。
小渕恵三氏が倒れたのは、小沢一郎(自由党)との連立解消の話の後だったので、そのことが書かれていると思ったのだが、さっぱり触れられていなかった。
ただ「自民・公明は小渕さんが倒れると、『小沢が小渕を倒した』と宣伝した」と書いてある。元々、自民党執行部は、自由党を分裂させる企てだったという。確かに、自由党から保守党が分かれ、「自公保連立」となっている。
しかし、数年前に、平野氏の『ロッキード事件』講談社を読んだが、それに比べるとこの本は歯切れの悪い感じがした。
今日、奥付を見て気が付いた。前者はまだ参議院議員だった2004年に刊行している。後者は政界引退後の2006年に刊行されている。どうもそれが理由だと了解した。
まあ、良くも悪くも55年体制以降、自民党が政権を失った細川政権・民主党政権は、小沢一郎という政治家がゐなかったら実現しなかった、ということはよく解った。
この本は、そういう本だった。