結局、防衛費倍増は、NATOのドイツがGDP2%に舵を切ったこと、安倍前首相の買い付けた武器のローン支払いがあること、たぶん日米交渉で軍事費の上乗せを要求されたこと、これが事の本質ではないか。
小泉政権以降、この国のアメリカへの従属化は止まらない。
しかし、本質を質さず、マスコミの政権への翼賛振りは気持ちが悪い。
先日、朝起きてテレビをつけたら、「羽鳥モーニングショー」で台湾有事をやっていた。即座にチャンネルを替えたが、いつか来た道を、また「新しい戦前」とかで、また歩こうとしているのではないか。
かつて、朝日新聞は1939年6月8日に、明治神宮外苑競技場で満州開拓青少年義勇軍壮行会を報じた。その大行進では、主筆の緒方竹虎が挨拶したそうだ。(『新聞と戦争』朝日新聞社)、同じ年の6月21日、永井荷風は「世の噂によれば、軍部政府は婦女のちぢらし髪(パーマネント)を禁じ、男子学生の頭髪を五分刈のいが栗にせしめる法令を出したりという」と記した。(永井荷風『断腸亭日乗(下)』岩波文庫)
そして、翌1940年10月に「大政翼賛会」が生まれた。
今の国会はNHKが公正に報道しているのだろうか。単に政府広報化していないか。
何より、野党がスキャンダルを質問するだけで、防衛費倍増に強く反対しているのだろうか。