「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「お役御免」

2014年03月29日 | つれづれ噺

        
           昨年暮れ、我が家の主になった「まあるい炬燵」

昨年の暮れの話。
ネットサーフィンで遊んでいたら、オッ!これは・・・というものに出くわした。
円形のホーム炬燵である。
それまでに十分出回っていたのかもしれない。ただこの目に留まらなかっただけかもしれない。

少なくとも私自身のこれまでの常識では、ホーム炬燵といえば、正方形、長方形の違いはあっても、四角いものであるという印象であった。
そこに見つけた、ちょっと意外で面白そうな家電。食指が動いた。
ところが、値段を見ると円形は四角い従来型に比べるとおよそ2倍。何故か値が張る。

四角いのなら二階の納戸にしまっているものがある。あれを出せば炬燵の役目は十分果たす。
だが待てよ、この円形炬燵はまんべんなくどこからでも足を突っ込まれる。アットホームではないか、という思いが頭をかすめる。
一気に遠い昔に思いが馳せる。親子8人が板の間の「まあるいちゃぶ台」を囲んで、肩を寄せ合って食べた夕飯の情景がふと浮かぶ。
敗戦後の、日本中が貧乏にあえいでいた時代。食べる物は決して豊富ではなかったが、家族のぬくもりという特別な味わいのあったことを思い出した。

正月には子や孫が集まってくる。ひとしきり食べて飲んだら、このまあるい炬燵が役に立つに違いない。そんな思いが円形炬燵を奮発させた。
案の定、大きな足、小さい足、冷た~い足、ぬくい足があっちからこっちから入ってくる。
時々は小競り合いが起きる。それでもやはりみんなが、まあるくなっているのがいい。

などと思って満足したのもつかの間。正月が終われば、もとの4本足に戻ってしまった。それと、わずかな晩酌後の居眠り台に早変わり。
それに、桜の便りが聞かれる頃には、まあるい炬燵もお役御免を言い渡すしかない。

今年の暮れを目指してお蔵入りにするか。それとも掛布団を外してテーブルだけを使おうか・・・また思案。
兎に角、このひと冬は間違いなく役立ってくれた。奮発した甲斐があったというもの。
はがき随筆のネタにもなった。 まあるいこたつよ、ご苦労さん。

コメント (4)
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