秋田県と岩手県の県境付近、太平洋と日本海のほぼど真ん中にある八幡平の紅葉を満喫し、さて次なるは。
東北自動車道をさらに北上。高速道を外れて、秋田犬の産地として名高い秋田県大館市へ。
大館市は秋田県北部にあって、市の北境で青森県と接している。かつては、東北有数の貨物取扱拠点として殷賑を極めたとという。
大舘駅前では、東京渋谷の忠犬ハチ公の縁戚となる秋田犬の銅像が迎えてくれる。
そこから日本海沿岸、能代を目指して、白神山地を横断する。途中にある名勝十二湖のうち、小さいながら最も水の色が青い「青池」を見学。
大館し中心部、大舘駅前。秋田犬が鎮座 白神山地十二湖のうち、文字通りの「青池」
能代ー五所川原を結ぶ「五能線」 堤防を隔てて荒れ狂う日本海
演歌ファンならご存知かと思うが、歌手水森かおり唄うご当地演歌「五能線」という寂びれた単線が走っている。
この日は台風23号の後遺症で、日本海側もまさに荒れに荒れていた。いつもこんな荒れようかと心配したが、地元の人でさえ「これほど荒れるのは珍しい」ということだった。雄大で壮観ともいえる荒れる海を間近に眺められたのは、これも一つのラッキーであった。
ただし、線路の海側には堤防があるだけ。これほど荒れたらあの真白い塩水が、容易に列車を洗うだろうと心配さえする。
走るバスにしぶきが掛かる荒海 観光目的の「千畳敷」と呼ばれる岩場。
何でこんな遠くまで出張るのか。
それは、数少ない日本海沿岸の景勝地「千畳敷」と呼ばれる岩場で休息し、美味しい海の幸を味わうという目的があったのだ。
運よく晴れていれば夕日が絶品、という触れ込みであった。が、この希に見る海の荒れようと空覆う厚い雲。 どちらも残念賞!!
でも、負け惜しみでもなんでもないが、この海の白波の大きさ凄さは、観るに値する絶景ではあった。
日暮れ前に青森県十和田市、十和田湖畔温泉に向かう。
冷たい秋の雨がバスの窓を濡らす。山道に入ったら、左右真っ暗で何も見えない。疲れをいやすためのお眠りか・・・。
と思っているうちに、バスが急停車。「クマでも出たか」と色めき立つ。ドライバーがすっ飛んで降りた。
窓から見ると直径1mもありそうな大きな岩が道路の真ん中に鎮座している。直前に転がり落ちたのであろう。
男数人が「よいしょヨイショ」、掛け声とともに道路脇へ転がして、無事通過。
そうはいっても、タイミングが悪ければどうなっていたのやら・・・。 ここも日ごろの行いのいいお客だったと言えるのだろう。
7時を回って十和田温泉到着。明日は奥入瀬渓流、十和田湖遊覧、渓谷観光が待っている。