8月15日、終戦記念式典の天皇陛下のお言葉や、戦争の愚かさと恐ろしさを語った多くの言葉から、再び戦争という人類の愚を繰り返してはならないことを胸に誓った人も多いことだろう。もちろん小生自身も偽りのない正直な気持ちである。
ところが、同じ戦いでも、プロ野球やプロサッカーなど、多くのスポーツが有料で観衆を集め、一つの娯楽としての戦う姿を見せている。
それらは「戦い」とは云わず「試合」と云う。それぞれの専門的な鍛錬と学習を経て、ホンの一握りの人間がお金の取れるプロの選手になれる。
そんな人たちにとって、「勝敗は時の運」などと呑気なことは云っていられない。勝つこと至上主義に徹しなければその座を奪われる。
そんな、のっぴきならない事態に至ったと感じたとき、つい「皇国の興廃はこの一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」と言う言葉を思い出す。
決して過去の戦争を礼賛するわけではなく、ただ「ここ一番」という正念場に立たされたとき、自らを鼓舞する言葉として胸に刻んでいるだけのこと。
これは説明するまでもなく、明治37年に起きた朝鮮半島の権益をめぐり、日本とロシアの戦争において、その勝敗を分ける日本海海戦を前にした日本海軍最高司令官であった東郷平八郎が「日本の命運はこの一戦にある」と判断して、兵員一同の奮起を促した、歴史に残る有名な言葉である。
この日本海海戦で勝利を収めた日本帝国海軍は、長く世界に君臨することになる。
そんな歴史の挙げ句が、終戦記念式典に象徴される惨めな敗戦国となり、復興に汗した昭和へとつながり、現在の令和に至った。
前置きが長くなりすぎたね~。
他でもない、我が愛する広島カープの4連覇が、ここにきて夢のまた夢と消えてしまいそうな状況に陥った。
阪神、巨人に2カード連続負け越し。一昨日からの横浜3連戦は最悪でも勝ち越しでなければならなかった。
そこでふと口をついたのが「カープの興廃はこの横浜3連戦にあり、各員一層奮励努力せよ」であった。ところがこのカードも負け越し。
その上に、バティスタ選手がドーピング検査陽性反応で、出場停止・自宅謹慎となるおまけまでついた。
個人的には、一発で試合を決めるホームランに対する魅力は大いに感じている。しかし広島カープらしい「緻密で次につなぐ野球」には決して向いていない気がしてならない。全員が一丸となって戦っている気概が伝わってこないのである。判で押したように空振り三振でケロッとしてベンチに戻られるのは、どうもねー。
兎に角残り29試合。全て勝つ納得の行く采配と、最高の個人成績を狙って「各員一層奮励努力」してほしいものだ。
そうして、最後はクライマックスシリーズで、あわよくば日本シリーズ挑戦という夢を描かせてくれれば言うことなし。
やっぱり、負けても勝ってもカープがイチバンええんよ。ねー、カープファンのみなさん!!