近くのカラオケ同好会のリーダーからお声かけを頂いた。
まんざら嫌いな道でもないのでお誘いに応じて、近くのコロッケクラブというカラオケ店に行った。
「好きな歌を3・4曲お願いしますよ」などと載せられて、ついつい破れ声を張り上げて歌ってしまった。
「〇〇さん、実は私たちはこのメンバーで、介護施設などを訪問して歌を聞いてもらっているんです。もちろんボランティアで」
という意外な話が進み「貴方にはこの曲とこの曲2曲を是非歌って欲しい」ということになった。
ヘタの横好きが自ら楽しむために歌って来ただけで、人様に聞かせられる声でも歌でもありません。と固辞したのである。が・・・・・・。
『施設のお年寄りを喜ばせるボランティアを一緒に』と頼まれると、あれこれ地域活動のボランティアに精出している現状では、むげにお断りするのもね~。
などと少しだけ食指が動いた。このグループの中心として活躍している、元の会社の後輩も「〇〇さんなら大丈夫、是非に」という話になった。
自ら資料を集めて企画して、一切合切を取り仕切る場合もあれば、今回のように、他人の誘いに乗っかって楽しく進めるボランティもあるということ。
こちらも好きなことで楽しみながら、施設を利用する人たちに束の間の笑顔を届ける。悪いことではないね~・・・・・・と徐々に気持ちは動く。
思い起こせば、あれだけ芸能好きだった母の晩年。同居人の私たちが母親を楽しませるような努力を何かしただろうか。
残念ながらしていないね~。テレビにつないでカラオケを楽しむマイクを買ったくらいのことではないか。
それも、母はすでにマイクを持つ気力も体力も失いかけた頃であったように思う。今さらながらいろんな悔いが残る。
さりとても、石に布団は着せられぬ。お墓の前でいくら良い歌を歌っても聞いてはもらえないだろう。
ならば、せめて自己満足の世界かもしれないが、世にあふれんばかりの高齢者の一人として、同じく高齢者を対象に笑いや懐かしい歌を届けたい。
母も「そんな馬鹿なことは止めとき」とは云わないだろう。
やがて自身も行く道と心得て、施設の人たちと一緒に今一度、束の間の青春を取り戻す努力も悪くはないよね~。
となると、たった2曲のためではあるが、それなりのステージ衣装を吟味することになる。またひとつ背負ってしまったかな。