肝を灼かせた、プロ野球広島カープのシーズンが終わった。
今シーズンの戦いぶりを象徴するような、貧打・投壊、極めて感動の少ない最終戦であった。
思い起こせば3月29日、巨人を相手に華々しく開幕した。いきなりの5チーム相手の3連戦全てに負け越し。しかもヤクルトには3連敗のおまけ付き。
15試合消化した時点で4勝11敗。この時点の7つの借金が最後の最後まで尾を引いたような戦いぶりで終わってしまった。
それでも、5月1ヶ月間は11連勝を含む20勝4敗1分けと盛り返した。あわや4連覇と色めき立つひところもあった。
丸選手の巨人移籍何するものぞ!という意地を見せてくれた。
ところが、そこは生身の人間のやること。3連覇という偉業をなしえた個々の肉体は、精神面も含めて大きな大きな疲れが蓄積されていた。
無理もない。大金をはたいて、他チームの中心選手を引っこ抜くような補強はしないのがカープ球団の基本方針。どこぞの金持ち球団とは基本が異なる。
カープ球団の中で切磋琢磨し、這い上がってきた選手だけで戦うには、限界もあるし相応の肉体的疲労は重なる。
その上で、2年連続最優秀選手の地位を得た中心選手を、同じリーグにさらわれたのは、ボディブロー以上のダメージがあったことを認めざるを得ない。
・・・と、愚痴をこぼしたところで仕方がない。今日の時点では辛うじて3位キープ。
追いかけるチームが、残り3試合を全て勝てば4位となる。CS、クライマックスシリーズの出場権がなくなる。
それも致し方のないこと。ただ、もしもCSに出られることがあれば、そのときは短期決戦、死に物狂いで戦って欲しい。
あわよくば下克上。日本シリーズにチャレンジしてほしい。
仮にそうなったら、シーズンオフにはリーグ優勝したチームから「CS制度の見直し」という横やりが提案されるかもしれない。
そんなごり押しを繰り返していたら、それでなくとも凋落気味の野球人気は地に落ちるだろう。サッカー・ラグビーに押される日が来るかも。
フェアープレーの精神を子どもたちに教えるべきプロ野球が、カネと人気にあぐらをかいて無法を繰り返すようでは、つまらんよね~。