「1万円の家庭菜園耕運機」というチラシが目に飛び込んだのは、10日ほど前の朝刊であった。
欲しいな~。買おうかな~。メリットがあるかな~。投資の元が取れるかな~。こんな機械を買ったとして、後何年出来るかな~。散々悩んだ。
隣の荒れ地に家庭菜園を始めて20年近く。耕すのも畝を作るのも、草取りも全て手作業でやってきた。体力的にも十分出来ていた。
それがここ何年か、やはり疲れを感じるようになってきた。一掘り一掘り手で耕すのは腰に来る。段々疲れが取れにくくなって来ている。
やっぱり、我が家の畑で取れる野菜や果物は格別な味がする。しかも、畑作りを辞めたらこの荒れ地はすぐに手が付けられなくなる。大藪になってしまう。
タヌキやイタチも住み着くだろう。ヤブ蚊や害虫もはびこる。これは避けたい。
かといって、現物を見ないで1万円の品物がどんなものか。少し不安。先ずは近くのホームセンターへ。現物を確かめながら値段と相談ということに。
当然ながらチラシと同じ機種など置いてはいない。あるのは値段が一桁上の、燃料タンク付きのちゃんとした耕運機。これはハナから対象外。というか手が出せない。
あれこれ参考にして、結局はネット検索。1万円に数千円足せばいくつかの候補が見つかった。もちろん、エンジンは電動式。電源コードの届く範囲でしか作業は出来ない。そこは、我が家の隣接地。コードリールは持っている。
「高いおもちゃを買ったと思って・・・・・・」とかなんとか理由を付けて、ついに電動式小型耕運機「たがやす造」君を手に入れた。
秋半ば。白菜・大根・秋ジャガ・ホウレンソウ・水菜など、種まきにまだ間に合う。
欲しいおもちゃを買ってもらった子供が、いそいそと箱を開けるのと同じように、送られてきた梱包を解き放つ。
取説を見ながら慎重に組み立てていく。この頃の組み立て品は、目さえ見えれば誰にでも出来るようにこしらえてある。
早速試運転!!鍬で耕してきたこれまでとは、楽で早く、広い範囲の仕事が進む。
延長コードを出したりしまったり、余分な時間もかかるが、少しでも楽に仕事が出来るのが何より優先。
買ってもらったおもちゃと当分の間は仲良く遊べるのがいい。但し、投資した分、美味しい白菜を、美味しい秋ジャガを作る義務を背負った。