先日、同い年の親しい友が、無事にめでたく「金婚式・結婚50年」を迎えた喜びのブログを認めていた。
「奥さんの目を見て『長い間ありがとう』の言葉を発せられない代わりに、ブログで気持ちを伝えたい」ということであった。
定年のない専業主婦。子供二人を育て上げた母親。そして、世に言う転勤族の彼は、引っ越しを9回もさせたという。
引っ越しは1回2回でも大変なのに、それを9回とは気の遠くなるような煩雑さであったろうと思われる。
大いなる感謝の言葉を口に出して言うのが、男たる者の責任か?などと思うが、いやいやそうばかりでもない。のではないかな。
口に出して言われたら、言われた方も何かを返さなくてはならなくなる。そこはやはり阿吽の呼吸。「言わずもがな」がいいのかも。
いいとか悪いとかの話ではなく、日本人の心意気というか、「言わず語らず心と心……」があってもいいと思う。
それでも、言の葉に乗せて口で伝えなければ相手に通じない、とおっしゃる向きもあろうが、さてどっち派が多いのだろう。
かくいう小生は、まだまだその域には達していない。
27歳の頃は事情があっての貧乏所帯。結婚よりも先ずは住みかを調達するのが先決。ということで新居は構えたものの、大枚のローン返済に追われていた。
「一人口は食えなくても二人口は食える」と周囲のお勧めはあったが、気持ちの上ではそれどころではなかった、というのが本音かな。
折からの所得倍増論や日本列島改造論のお陰で、相次ぐ大幅な昇給に乗ってローン返済が随分軽くなり、気持ちも少し落ち着きを取り戻した。
そうして周囲を見渡すと、同級生のほとんどが所帯持ちになっており、子宝にも恵まれているのが普通であった。
ちょっと焦ったね~。「あいつは偏屈者?」と思われては大変。30歳になるまでには何とかしようと。
あの日から細く長く積み重ねた歳月は48年。そのスタートは奇しくも10月16日であった。
そのときを迎えたら、さて何を言う。友に倣ってブログに託すのだろうか。やはり「言わずもがな」を押し通すのか。はてさて。