酒蔵に働く人たちの心意気、立春招福酒
今年もその時期が来た。立春の朝、絞りたての新酒を「招福祈願酒」として、予約注文者限定で頒布するお酒が届いた。お酒に関して言えば、決して上戸ではない。あればあったで少々たしなむ程度の、まあどちらかというと下戸である。
しかし、この立春朝絞りについては、旧知の酒屋を営む一級下のオーナーから「縁起物だから是非お付き合いを」と頼まれて以来、毎年2月4日か5日には必ず届けられる。我が家に春をもたらすのかどうか定かではないが、ちょっとピリ辛の独特な味のお酒である。
下戸がお酒の宣伝をしてどうなるか、という話ではあるが、季節や良し。本格的な春の始まりという謳い文句に乗せられて、少し気分をよくしながらの付き合い酒ではある。
そう考えてみると今年の場合、元旦2日前にようやく退院してきた。頭はフワフワ、足元はよろける。自分が自分でない気分のまま取り敢えず新年を迎えた。あれから1ヶ月、こなすべき作業をこなし、食べ物もしっかり補給した。リハビリに顔をしかめながらではあるが、人間らしい生活を取り戻した。
ちょうどその時期が、節分・立春という1年の大きな節目を迎えたことになる。
食欲の回復につれて、退院時6kg近く減っていた体重がようやく1.5kg盛り返した。気力もかなり戻って来たような少しの手応えを感じている。昨年1年間を振り返る義務でもある確定申告も、手作りで提出した。そして今日、新型コロナウイルス第3回目のワクチン接種も終えた。有り難いことに何かにつけて一つの区切りがついた思いがする。
立春をバネに、昨年11月入院する前の状態に戻していけると有り難い。
とりわけ今年の場合、節分・立春が新たな1年の始まりであると同時に、満80歳の不安と期待が入り交じったスタートでもある。さてさてこれから始まる1年がどんな道中になろのだろう。お楽しみ!!