花よし、緑良し、時や佳し。間もなく菖蒲の開花をみる絶好の季節。
同じ釜の飯を食った仲間が定年退職して、職場を離れた新たな仲間意識が醸成される。その名を岩国工場定年退職者の会という。
300人近い会員がいて、6月初めに行われる総会にはおよそ半分が参加して旧交を温める。参加していない人の消息や近況を噂したりする。
酒類が欲しいとは思わないが、大きなホテルの大宴会場に昔の仲間が集い、美味しい料理に舌鼓を打ちながら思い出を語り合う。赤面したりちょっといい気分にさせられたり。「あんたは、あまり汗をかかない楽な職場を渡り歩いたね」などと人の苦労も知らず大きな声で吹聴する同輩。この雰囲気が好きなんだね~。
などと呑気なことを考えている矢先に、葉書が届いた。「コロナ禍対策のため今年度総会は中止とします」という。
なんとこれで3年連続の中止である。それでなくとも定年退職者の会なのだから高齢者の集いであることは言うまでもない。ア~~アまた中止なの?。
気分転換の絶好アイテムとして楽しみにしていただけに残念である。憎い憎いコロナにまたまた楽しみを奪われた。
それに、丸3年を経過するということは、少しでも病と闘っていたりすると復帰は難しくなる。会社側も、大枚を援助してOB会を維持する魅力に欠けてくるだろう。結局は解散という最悪の事態が見え隠れする。あの人は元気だろうか。あの人はどうしているじゃろう。などと他人の心配をするより我が身を大切にしなさいよ、ということになる。
昭和・平成を支えた企業戦士の末路まで先細りにするコロナとは、ほんとに本当に無粋なヤツである。