「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「行く道かも」

2021年08月27日 | つれづれ噺

            
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午後1時半、雲の多い空から時折覗く太陽が暑い。熱中症に注意だね~と思いながら庭に出たところ、
この暑さに帽子も被らず、ステッキも持たない高齢男性が家の前を通りかかった。かつては国会議員から市会議員に至るまで、選挙という選挙では必ずやって来て「〇〇党の△△さんを是非お願いします」と、それはそれは熱心に組織選挙の応援を依頼されたこともある人で、顔なじみである。実年齢は知らないがおおよそ同年配であろうと思っている。

「暑いですね~」声を掛けながら近づくと、何かしら落ち着かない様子、おまけに眼が泳いでいる。普段は奥さんと二人連れが多く、独りの行動はあまり見たことがない。ピンと感じるものがあった。そういえば彼の奥さんから、それらしい愚痴を聞かされたことがあったのを思いだした。

「今日はどちらへお出かけ?」「友達のところへ行こうと思う」「友達はどこにおられるの?」「すぐそこの団地」「家はわかるの、一緒に行こうか?」そんな会話の後、いきなり話題が変わった。

「私はここに2千円持っとるので預かっといて下さい」と、ポッケから千円札を間違いなく2枚取り出して「頼みます」と。お金の預かりは丁重にお断りして、このまま行かせては危険極まりない。「奥さんはどこにおられるの?」「ありゃ仕事」素っ気ない返事。奥さんは仕事をとっくに辞められている。こりゃ益々独りにはさせられんと、段々こちらの動悸が激しくなる。カミサンを呼んでうまいこと話をさせて「家に帰りましょう」と家まで送らせ、奥さんに渡した。「ちょっと叱ったから機嫌をそこねたんよ」と割と淡泊に。何はともあれ、何事もなく一件落着。

たまたま庭に出たタイミングで彼が通りかかったからいいようなものの、1分もずれていたら彼のお友だちの家探しは果てしなく続いたのではなかろうか。やがて防災スピーカーから「行方不明のお尋ね」などと放送されることになっていたかも。

そこで思うのは、明日は我が身とならない保証はない。こればかりは本人は気を付けているつもりでも、病気が正気を失わせるという始末の悪さ。付ける薬もないようだ。何か歯止めになる要素を見つけたいな、なんて今は真面目に考えるのだが。止めた止めた、そんな先のこと思ってみるだけ先細りだ。
ケーセラセラ~と言う言葉が一時流行ったよね~。

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4 コメント

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Unknown (たか(たかたかのトレッキング))
2021-08-27 23:21:09
現実的に有りえる事ですものね。
他界した姉夫婦も徘徊こそ有りませんでしたが
最後には私が誰であるか判らなくなってしまって。

そうならない様、普段から運動をしてブログで頭の体操をして、なるべく夫婦間の会話をするよう心掛けてはおりますが・・・
明日は我が身という事だって無きにしも非ずですものね。
ケセラセラ~が特効薬でしょうかね。
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Unknown (kyon)
2021-08-28 07:14:20
認知症の症状も色々ありで、母はアルツハイマー型認知症でして、性格から押して想像する症状も多かったのですけど、夜中に病院を抜け出して徘徊もしたりしましたね~(苦笑)気持ちが切れるのも早い・・怒りっぽくなったりね・・だから、
yattaro-さんの対処はとても正しい。良かったですね~・・ご無事に奥様に戻せて。
で、思うのは、勤勉であるとか真面目な性格であるとか・・・普通は褒められるような性分でも、それが強過ぎると引き金になることもあるような病気なのだなぁと・・
ケセラセラもいいし、楽しく生きられたら多少はいい加減に見えても、その方がいいのではないかと思いますね~生意気ですけど(^_^;)
と、自分のいい加減さを自己肯定してます(笑)
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ドキドキ体験、たか さん (yattaro-)
2021-08-28 16:15:33
先のことなど誰にも分かりませんが、分からない分、私自身にも十分可能性はありますね。
現時点では、そうならないようにあれも心掛け、これも習慣化しておこう・・・などと思ってはみるのですが。
最終的にはケーセラセラ~も特効薬になるかも知れませんね。
それにしても、直接自分で話しかけて家に送り届ける行為など初めての体験で、正直ドキドキしました(笑)
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複雑な病気 kyon さん (yattaro-)
2021-08-28 16:46:02
私も両親との同居で、カミサンには言うに言えない苦労もあったのかなと思っています。
特には母は100才7ヶ月の生涯でしたので、晩年の思いも寄らぬ行動に笑ったり泣いたり。
そんな経験をして来たつもりでも、今回の他人との折衝、しかも同年配の同性。どうしたもんじゃろう、戸惑う気持ちもありましたが、兎に角穏やかに、普通に話しかけることができて自分でもよかったです(笑)
いろんな心掛けも準備もしていきたいとは思いますが、やはり病気なのだと割り切って、少し気楽にやっぱりケーセラセラ~も取り入れて(笑)ボチボチですね。
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