いよいよ厳寒からの脱出を期待させる大寒最後の日、節分。明日は「寒明け」、「春立つ日」となっている。
小寒大寒と続いた1年中で最も寒い時季に別れを告げ、寒が明けていよいよ『立春』
なんとなしではあるが、春という字を見つけたり書いたりしていると、気持ちが前向きになる思いがする。
そんな手始めが先ずは節分の「豆まき」であり、「恵方に向かって太巻ずしの丸かじり」という図式なのだろう。
こうして食べる太巻ずしを「恵方巻き」と呼ぶようになって久しい。
恵方巻き(えほうまき)とは、節分に食べると縁起が良いとされている「太巻きずし」を切らずに、丸かじりする習慣。
「恵方巻」という名称は、1998年(平成10年)にセブンイレブンが全国発売にあたり、商品名に「丸かぶり寿司 恵方巻」と名付けたことにより広まったとされている。
それ以前は「丸かぶり寿司」「節分の巻きずし」「幸運巻寿司」などと呼ばれていたことが文献で分かるが、「恵方巻」と呼ばれていたという文献類は見つかっていない。
というようないきさつで、商魂たくましい全国区のコンビニエンスストアの発想に乗せられている、ということである。
それにしても、日本古来の風習であることも確か。
そんなこんなで、我が家も太巻ずしを作った。「田舎巻き」が口に合わない孫のために、サラダ巻き。ちらしずし、それにお稲荷さんまで。
本来ならたった2本あれば十分なものを、それぞれの好みに合わせて、多種類大量に作る。
そうなると、こんな頼りないお父さんの手でも猫よりは益し、とばかりに台所に立つ。
しかもこの日のお父さんは、午前中「男性料理教室」で包丁を使い、試食会で舌鼓。食器を洗ってきたばかり。
そうはいっても、主役など10年早い話し。でも周りをウロウロしながら下てご(手伝い)くらいはできる。
巻ずし1本用のご飯を計量する。巻き上がった寿司を別のテーブルに並べる。
夕方取りに来た娘たちに、「ジジババの合作」と、一応念を押して手渡す。
何はともあれ、向こう一年、無病息災、自分の思いが遂げられる生き方をするんよ・・・との願いを込めて。
二人っきりの静かな夜に入って、「オニはそと~~」「福はウチ~~」小袋入りの豆をまく。
恵方と言われる、「古くは正月の神様が来臨する方角。その年の歳徳神のいる方角」に向かって、太巻ずしにかぶりつく。
この時ばかりは、自身のそして、互いの無病息災を願って・・・。
それも、お二人の合作で気持ちのこもったお寿司ですものね。
昔は、部屋を真っ暗にして豆まきならぬ、飴まきをして息子たちを喜ばせたものでした。
「そんな時もあったなあ。今年もみんな元気で過ごしてほしいな」と願いを込めて、スーパーで買った巻きずしをほうばりました。
ところで、巻きずしをちゃんと食べただろうか。
気になりながらも、干渉しないのがババちゃんのエチケットだと心得ております?
商売人って色んなことを考え出すんよねー。
手作り巻ずしの丸かじり、やっぱり美味しいよ。
合作などとはとんでもないです。周りをウロウロするだけです。
部屋を真っ暗くして飴まき?これはまた楽しい思い出になっていることでしょう。
それに、節分が来れば節分で、ババは心ひそかに心配するんよねー。
いつまでたっても親心、母心、やっぱり有難いものです。