4人の笑顔、ないよりも妙薬。
わが家の大事な跡取り息子が、数え年42歳、男の本厄を迎えた。
厄とは、災難や思わぬ障碍に出くわす可能性が高いことを意味するらしい。
人の一生の中で、厄と呼ばれる歳回りが何回か訪れる。出来ることならそういった忌み嫌われる歳回りをなんとか無事に通り越したいと思う。
たとえ小さなことでも遭わなくて済むことなら、何事もなく過ごせるのが一番いいに決まっている。
となればどうするか。ここはやはり神頼み以外にはないようだ。
いっくら自分自身の行動を慎重にし、いわゆる気を付けたとしても人間の力には限界がある。
人智の及ばない大きな宇宙の中で活かされている一人の人間。目には見えないが、間違いなく存在する大きな力に救いを求める。これまた人情である。
神前に額づいて、災難排除、無病息災の奏上もしてきた。
今や一人の身ではなく、可愛い姫の親であり、夫であり、一家の主・亭主なのである。それなりの責任は言うに及ばず。
ひとえに、元気で仕事して家族の安穏を守ると同時に、人間としての己を磨いていく・・・などと小難しいことを言うから、少し、いや大いに疎まれる親父であるが、やはりたとえ疎まれても、そういった主張を貫かなきゃならいのも「オヤジ」という立場なのだろう。
ささやかな歳祝いに顔をそろえる孫たち4人の笑顔は、4人にとっての4人の親、そしてジジババにとって、何もにも替え難い活力源である。
この笑顔を絶やさないよう努力し続けてもらわなければならない。
そのためには、我々ジジババのことは取り敢えず考えなくていい。我々夫婦にはまたそれなりの生きる道はある。
などと、小言とも愚痴ともつかぬ駄弁を弄してみるが、しょせんは神仏に頼るしかない。
思い上がって「オレは大丈夫」などとふんぞり返るより、少しのしおらしさや可愛げがある人間を、神さまは好むであろうと信じたい。
心配したり、手を貸したりする子どもたちですが、我々親は彼らに迷惑をかけない老後を迎えたいものだと思うねー。