先週の1週間は梅雨入り宣言の名の通り日本全国各地大きな雨を降らせた。その雨は日本列島6カ所に及ぶ線状降水帯を発生させ、各地に甚大な水害をもたらした。ようやく土曜日そして日曜の今日二日間は晴れ上がったが、死者、行方不明者が出るほどの爪痕を残した。
この季節の雨は田植えの稲の根付きを支える大切な雨である。そればかりではなく渇水期の夏場を迎える我が国では、飲料水をダムに貯め込んでおく貴重な雨でもある。だから降ってくれなければっ困るのであるが、そうはいって各地に大きな被害を残す大雨は全く困りものである。
遠くに住む友に電話する挨拶も「雨は?」「被害は?」で始まり、兎に角気を付けよう、年を考えて早めの避難も考えようね、などと神妙な会話に発展する。その昔ビールグラスを傾け演歌をぶっ放した友との会話も、時と共にこれほど内容が変化するものか。思わず笑ってしまう。
その昔は命の重さなど考えることもなく、元気で生きていることが何の疑いもない当たり前のことであった。ああそれなのに、やんちゃや浮名を流したなんて話の前に今の生活状態や体調を気遣い合う話題が主流になる。どうかすると「詐欺電話の被害者になりかけたよ」なんて体験談も。
そしてようやく見つけた結論は、大切な雨だから降るなとは言わないが、紫陽花が華やかなこの季節の雨はしっとりしとしと、紫陽花の葉っぱに水玉を作る程度の優しい雨を望みたいね。なんてこちら本意の話で「また話そうや、無理せず元気でいような」と電話を切る。
雨には雨で、日照りが続けば日照りで友のことを気にかける。紫陽花に降る雨が色んな話題をくれるものではある。