消雪用の自家用井戸の地下水の出方が悪くなってきた。
村の設備屋さんの提案で、井戸を掘り直す事になった。
手痛い出費では有るけれど、自然落下式の屋根雪処理には欠かせない地下水です。
この辺りは、そんなに深く掘らなくても水が出る。
そのため、昔ながらの「モンケン」と呼ぶ、重りを落下させて鉄管を打ち込む。
小型のウインチで「モンケン」を釣り上げてはクラッチを切って落とす単純な作業。
設備屋の倅さんは黙々と「モンケン」を上下させる。
作業は順調で二日間で6メートル余りを打ち込んで作業終了。
6メートルと言う事になると、一本の鉄管では不可能で、何回も溶接して継ぎ足して打ち込む。
昨日は戻り寒波で吹雪の一日だったが、打ち込み終えてエンジンポンプをつないで揚水試験。
幸いな事に、水は勢いよく吹き出す事に。
今まで使っていた井戸は、この大雪の年昭和56年に初めて掘った。
これは昔の我が家の二階から写した隣家の姿で、一階部分はすっぽりと雪の下。
山際に見える駅舎は平屋でほぼ雪に埋まってしまっている。
線路の架線を吊るすための電化柱も半分、いやそれ以上雪に埋もれてしまっている。
自然落下式の屋根と地下水に拠る散水消雪設備を施すまでは、文字通り毎日が雪との戦い。
この若き日のスベルべの姿は二階の窓からスベルべママが写したもの。
こうして、屋根の雪を下ろしては、この頃出来た「スノーダンプ」で運び出す。
運び出さないと、屋根から下ろした雪で家が埋まってしまうのですから。
休日ともなると、屋根に上がって積もった雪を下ろし、そして下ろした雪を運び出す。
なんとか、一階部分の窓を掘り出し、光が入るようにすると夕方になっていたものでした。
こんな仕事の毎日に疲れて、初めてこの年に自家用井戸を掘ったのでした。
暖かな地下水の威力は素晴らしいもので、家の周りの雪は溜まることなく溶けて助かりました。
以来、30年余り。冬の暮らしには欠かせない存在になっています。
先年の大水害の際も、泥の洗い流しに大活躍をしてくれました。
新しい井戸の寿命が、今までと同じ30年余りとすると、スベルべ存命中は大丈夫の計算です。