出掛け先から帰って来たスベルべママが「トーちゃん!今夜は何か予定有る?無かったら映画を見に行こう!」なんて言う。
先週スベルべママは友達に誘われて見物に出かけたのだったが、なんとこれが早とちりの一周早(笑)。
「いやいや、痴呆症の映画を観る前に痴呆になっちゃったね」なんて大笑いしたのでした。
それで、先週お誘いを頂いた友人にスベルべママは連絡したけれども、先方は都合がつかない。
そこで、早めに夕食を食べて二人でなか睦ましく?久しぶりに映画見物となった次第。
上映開始の15分前に会場には言ったけれども観客は少ない。そう20名以上30人未満て感じだったかな。
映画の内容は新聞の紹介で多少は知っていたけれども、いや、これは期待を上回る面白さ。
監督の「森崎 東」さんは、85歳だと言う事だけれども、いやはやこのセンスは素晴らしい。
89歳にして映画初主演と言う「赤城 春恵」さんも、もう一人の主演「岩松 了」も熱演。
そして、助演も「竹中直人」「原田知世」「宇崎竜童」「温水洋一」などなど豪華な顔触れ。
これでこの映画『ペコロスの母に会いに行く』が面白くないわけがない。
ところどころに、落とし所がちりばめて有り、涙が出たり笑ったり・・・・・・。
涙を誘われるのは、「赤木 春恵」さん演じる痴呆症の母の記憶、回想部分です。
子供の頃の苦労・・・・・。結婚してからの苦労・・・・・。うーん、泣けちゃいます。
そして、そこにほら、「竹中 直人」さん、「温水洋一」で、笑いを誘っちゃうでしょ。
「竹中 直人」さんなんて『四股踏んじゃった』『シャルウイダンス』・・・。もう怪優ですね(笑)。
でも、この「ペコロストーちゃん」そして、孫のさりげない肉親の優しさの表現が良い。
認知症が進んだ亡父に優しくしてあげられなかった、狭小な男だったスベルべは胸が痛む。
そして、「そうかー、あの時の父の頭の中を占めていたのはこんな状態だったのか」、
なんて、今となっては、もう取り返しのつかない後悔が頭の中を駆け巡る。
誰もが迎える、なるかも知れない『認知症』です。
「カーちゃん、ももしもお前が先になったらきっと優しく見てやるからな」と喉から言葉が出かかった。
スベルべママ、カーちゃんも同じ思いで、二人で帰りの車の中で話が途切れたのは、
きっと同じことを考えて、考えても口から言葉を出せなかったからでしょう。
『だいじょうぶ。なにかと不安もおありでしょうが、
笑いと愛をお届けします。』