
消雪促進剤のカーボンを、プラスチックの桶に入れて肩から担いで作業開始。
風の弱い朝を狙っての仕事だけれども、やはり微風ながらも風が有り、風向きを考えて歩く。

目見当を付けて、撒いたところを踏まないように後ずさりしながら撒く。
でも、しっかりと目標を作って歩いているつもりでも、やはり曲がってしまって苦笑い。

それでも二時間ほどを掛け、30アールの畑に撒き終えた。

11時頃に撒き終え、再び山の端を歩きながら下を目指す。
春の穏やかな光に包まれた、穏やかな表情の村々です。

もう一度、カモシカの足跡を見て歩きます。

下りならば楽だと思ったけれども大間違い。
昇る際には固かった雪の表面も気温の上昇で緩み、スノーシューでも崩れて滑るのです。

向こうの斜面には、カモシカの足跡が幾筋か見えました。
カモシカも緑、新芽を探して歩き回っているようです。
下りも苦労し、上りとほぼ時間がかかってしまった。
ようやく帰宅し、洗面所の鏡で顔を見て一人で笑ってしまった。
顔中全体がカーボンに汚れて薄黒く、しかも汗の噴き出た額はまっ黒。
なんと鼻の穴まで真っ黒に汚れている。
「シックステーントーンズ山盛りだ~♪」炭鉱夫か炭焼きの杣夫のような顔でした。
(終り)