これはスベルべの右手の小指です。
こんな風に曲がってしまって約一カ月が過ぎました。
医療関係の娘に相談すると、その状態は小指を伸ばす「腱」が切れているのだと言う。
うーん、正解でしょうね。握るときには不自由は無いけれども、どうしても真っ直ぐにならない。
直すには手術しか無く、その場合最悪、最長の場合3ケ月の固定が必要だろうと言う。
さて、困りました。1ケ月前と言うとさつま芋の畝を作り始める大切な時期。
と、言う事で病院に行く事無く時が流れてしまった。
実生活上の不便は少ないけれども、作業に欠かせない手袋をはめる際は困りますね。
曲がった小指が手袋にスムーズに入ってくれないのです。
こちらは正常な左手の白魚のような小指(笑)。
いずれにせよ、スベルべの手足は優しくて小さいのです。
実はスベルべは実の祖父、祖母には会った事が無い。
それぞれ、父が2歳と18歳の時に亡くなっているのですから。
話に聞く祖父は中々の粋人で、村芝居の座長を務め三味線なども使いこなしたらしい。
その祖父が「仕事で固くなった手でも、小指を真っ直ぐにピンと立てたらしなやかな手に見える」と言ったそうです。
でもねー、今のスベルべの右手ではそれも無理な話。
キザに小指を立ててグラスを握るなんて芸当もこれも無理な話。
ま、あるだけましか。あちらの世界で不義理をして自分で短くした人ってどうなのでしょうかね。
なんて馬鹿な事を思ったり、「人差し指でなくて良かった」なんて冗談を言っています。
この大切な小指の「腱」を切ったのはこの山菜「独活採り」に行った時の事。
急峻な沢と沢がぶつかった岩が剥き出しになった上に「独活」の一群が有った。
一旦上に登り、雑木をロープ代わりにしてぶら下がるとなんとか手が届く。
但し、足がかりを求めて爪先で探るが岩ばかりで足先を固定できるものは無い。
と言う事で、右手でぶら下がり残った左手を伸ばし「独活」に届いたと思ったとたんに落下。
忍者が飛び降りるように、さっと屈んで着地したのは良いけれど、背中の「独活」の重さに耐えかね、
右手の先に体重を掛けた状態になってしまったのです。
そんな不自由な右手でさつま芋の畝を60本も作り、そして苗を植え続けました。
雪国の無雪期は短く、仕事も短期に集中する事になります。
いわば、濃い生活を半年続けなければならないのです。
写真では分からないかもしれませんが、第一関節が少し腫れて傷みも有ります。
いずれ治療をしなければならないとは思うけれども、中々適当な時間が作れない毎日なのです。