ご自宅の玄関前には、貫禄十分な看板が出ていました。
工房はこのご自宅とは国道を挟んだ反対側の山際にあります。山と海の間です。
貴重なそして伝統的な手仕事の工房にお邪魔できるなんて思っていませんでした。
ところが、御主人足立さんは、何事も無いようにごく自然に招き入れてくださいました。
そして、そこは職人さん。手を休めずに仕事をしながらの会話です。
初対面とは思えないような話の弾み方で、このお仕事ばかりではなく米農家だとも知りました。
特殊な鉋で木を薄い輪切りに仕上げていきます。
用途、種別で大きさも異なるのですね。そして、径のわずかに違う曲げ物を重ね合わせたり。
重ねて滑り落ちるようでは役に立たない。こうして四角の棒で叩き込みます。
職人の慣れた芸、技術は流れるようによどみなく進みます。こうして出来上がるのですね。
なお、当然のことながら曲げ物細工をする職人が他にはいないから、注文が集中。
品物によっては、半年待ちとか、一年待ちとかになるとも聞いていましたが、当然でしょう。
職人さんに限らず、役人でもない限りは学歴などは関係ないが、彼は国立大卒業です。
スベルベの娘と同級生の奥さんも同じかな。そして、娘と同じ作業療法士をされています。
今は子育て中で、末っ子の娘さんを子守しながらのお茶出しでした。
お子さんたちを、我が家の山の畑でのジャガイモ掘り、サツマイモ掘りにお誘いしてお別れでした。
(終わり)