コンポスト(その1)
「あのー、中を見させてもらっても良いですか」の言葉に驚いた。娘の専門学校の友達が何人もして我が家を訪れて泊って帰った思い出に残る日のことだ。専門学校の同級生は広い地域から集まり、しかも前歴は多彩にわたり、新卒者から四年制大学の卒業生、そして社会人として働いていた入学性も少なくなかった。
さすがに分別に富んだ友人たちだったが、そこは若さ。遠く見えた広域農道の景色の良い高原道路に、数人の友人、もちろん若い女性たちを残さずオートバイの後ろに乗せて往復するというサービスをできたのは、父の私もまだ若かったという事か。
都会から田舎の家庭を訪れた彼女たちは何もかも珍しく、そして感動を覚えるような暮らしでもあったようだ。その驚きの一つが冒頭の言葉。生ごみさえ燃えるごみとして処理している都会育ちには、純粋に燃えるごみとして処理する紙などの他に、生ごみを家庭でコンポストとで分解処理をすることに深い感動を覚えたらしい。
「良いけれど、臭いかも知れないよ」と言ったが、何人もが蓋を取ったコンポストをのぞき込み感心していた。
(続く)